June.2.2018
このたび国民栄誉賞を受賞されることが決定しました
オリンピック金メダル2連覇という
快挙を成し遂げられた功績は,
誰の目からしましても,
十分それに値するものでしょう
平昌オリンピックで金メダルをとられた際,
彼の演技を見ながら,果たしてこの人は
他の選手たちと比べてこんなに細い体で
パフォーマンスしているけれども,
一体何キロぐらいなんだろう?…
と下衆な勘ぐりをしてしまい,
調べましたところ…なんと53キロ!
常人では耐えられないほどの体幹トレーニングを
積み重ねられた結果の,あの4回転ジャンプなどの
凄技の数々だそうですが,
それにしても53キロ…
なのにあの闘志むき出しの力強さは,
一体どこから出てきているのでしょうか?
その一端を探るべく,本日は
羽生結弦選手の名言のいくつかを
ご紹介したいと思います
(英文拙訳)
まずは,自分を「貫く」ことについてです
自分を貫いていると、家族に心配されたり、
本当に信じている人に
裏切られたりするかもしれない
ただ、そうやって自分自身を貫くことで
後悔はしない
If you penetrate yourself,
your family will worry about you,
or the person you really believe may betray you;
but by penetrating myself like that,
I will not regret it.
信念というものは,
自分を強くしてくれると同時に,
何かを失うことも意味します
自分が信じること以外を
否定するとは言わないまでも,
対象としないことだからです
ですが,超一流の仕事をされる方には
何らかしらの「貫き」が間違いなくあるもの
と思われます
では,羽生選手の勝利の哲学とは?
いつも通りやろうとしたら僕の負け
If I try to do as usual, I will lose it.
「いつも通り」を好意的に解釈しますと
平常心です
そうした平常心を大切にしているように
見える羽生選手の意外な一言です
もちろん彼にも,
ゆずれない平常心はあるはずですが,
それ以上に情熱,エネルギーが
ことばからほとばしり出ています
そのほとばしりを感じる例を
いくつか挙げさせて頂きますと…
自分が負ける勝つではなく、
高みに立とうとしていることが大事
What is important is not
whether I will win or lose, but trying to go higher.
勝ち負けにこだわっているレベルでは,
ライバルと対等関係です
その時の意識の裏には,
不安感がよぎっています
羽生選手それではダメで,
高みに立とうとすれば,
自分を更新し続けられると分かっておられます
その高みとは…
王者になる。
まずそうして口に出して、
自分の言葉に
ガーッと追いつけばいい
“I will be a King.”
First, you say that,
and then you can catch up
with the words intensely.
羽生選手の闘争心たるや,
世間的に言います,
負けず嫌いでは済まされないレベルです…
僕の場合、悔しさってすごい原動力
As for me, a regret is a great motivation.
そして,ライバルの存在は必須だと仰います
僕にもそういうライバルが、絶対に現れるはずです
競ってくれるライバルがいなかったら、
僕はスケートが好きではいられない
Such a match to me will have to appear.
If there is no match that will compete with me,
I will not be able to keep liking skating.
そして,ゆずれない想いが…
相手が誰であろうと絶対勝つ
Whoever my opponent is, I will have to win.
とは言え,やはり…
1番の敵は自分自身じゃないかなぁって
I wonder if the greatest enemy is I myself
自分自身を追い込むでも,
羽生選手は理性的に追い込みます
できる時にできることを精一杯やる
できない時はその時にできることをやる
When I can do it, I will do it as hard as possible.
When I can’t, I will do what I can do then.
この,「できない時にできることをやる」
と考えられる方は,何があっても,
上昇志向でいられることになります
こう言う羽生選手の時間感覚は…
一生懸命さが大事
1分1秒を大切にする
Doing my best is important;
I try to cherish one minute, one second.
やはり,
「いま・ここ」に集中されるのです
いわゆる「時間」は
過去の記憶と未来の予測の総和でしかなく,
そうした意味で「永遠の今」の連続しか,
私たちは体験できないのですから…
今しかできないことを
全力でやる
I try to do what I can do just now
as hard as possible
羽生選手もイチロー選手らと同じく,
イメージトレーニングの重要性を語られていました
自分の調子とイメージの
ギャップを埋めようとした
イメージだけでも
みんなに追いつこうと考えていた
I try to fill the gap
between my condition and the image.
I had thought pursue
everyone just by the image.
怪我をして体が思うように動かせない時であっても,
イメージで動いておけば,
すぐに復帰していかれる…
その証明が,何を隠そう平昌オリンピックでの
ゆずれない金メダル二連覇でした
いつも心を開いているんです
心を開いていなきゃ、
何も吸収できないしおもしろくない
心を開く事が成長の原動力
I always open my heart.
Otherwise, I can’t absorb anything,
and feel fun.
To open my heart is my motive to grow.
自分で自分を塞いでしまう
ナルシシズムの時空間では,
成し遂げられることがどんどん狭まっていきます
自分を開くことには勇気がいりますが,
そうすることによって,自分の可能性を
他者からの刺激によって広げていかれます
羽生選手の心の開き方はこんなところまで…
期待される感覚が好き
それはプレッシャーじゃなくて快感なんです
I like to be expected,
which is not a pressure but a pleasure.
人々から期待されるプレッシャーを感じつつ,
自分の限界を越えて行くべく,
邁進して行く…
挑戦自体がモチベーションを上げるためのもの
Trying itself is something raising my motivation.
このように羽生選手はセルフコントロールも
超一流な方でした
どんなにスランプに陥ろうと,
誰が何を言おうと,
下馬評をことごとく覆し,
たった一回のチャンスで,
オリンピック金メダル連覇を
成し遂げられたのですから…
挫折した時にこそ人は試されると言います
羽生選手は挫折した時には,
このように考えているようです
トラブルだって、いいきっかけになるんですよ
Even a trouble can be a good incentive.
あの風貌のごとくさらりとしつつも,
ゆずれない究極のポジティブ宣言です!
それでは,このへんで