tsuputon's blog

英語の名言をベースに, 哲学から医学・薬学に至る雑学を, ゆるまじめにご紹介していきます

英語の名言:葉の隅に輝く一滴の雫にも、ダイヤモンドの美しさがある。 (ロバート・バーンズ)

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                                                   March.2.2018 

 

 

ロバート・バーンズは,1759年に

スコットランドに生まれた詩人です

 

あの『蛍の光』の原作,Auld Lang Syneの

作詞をされた方です

同曲のメロディは,スコットランド

伝統的に伝わっていたものだそうです

 

「農民詩人」(Ploughman Poet),

スコットランドの最愛の息子」

(Scotland's favourite son),

「エアシャーの大詩人」

(Bard of Ayrshire)とも賛美されます,

スコットランドの国民的詩人です

 

スコットランドでは毎年,

バーンズの誕生日である1月25日が

「バーンズ・サパー」を開き,

バーンズの生涯や作品である詩を記念し

祝す日とされています

 

そこではディナーしながら,

バーンズの詩やバーンズにちなんだ話,

バーンズの詩による歌謡や音楽が披露され,

最後に参加者全員で手をつなぎ,

Auld Lang Syneを歌って終宴となるそうです…

 

日本でも紅白歌合戦をはじめ,

蛍の光』がイヴェントのエンディングに

使われるのは,この「バーンズ・サパー」が

由来だったのです

 

本日はこの,バーンズの名言を

いくつかご紹介したいと思います

ロバート・バーンズ - Wikipedia参照

 

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 ロバート・バーンズ

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蛍の光

 

 

まずは,聞き覚えのある名言からです

 

  Birds of similar feathers can swarm together.

  同じような羽の鳥はともに群れうる

 

いわゆる「類は友を呼ぶ」です

より一般的には

Birds of a feather flock together.

で知られています

 

諺によくあることですが,

これも良くも悪くも解釈されます

 

最近の若い方々の言い回しを聞きますと,

「類友だよねー」と言う時,

マイナスが多い気がしますが…

 

似た諺には

「牛は牛連れ,馬は馬連れ」

「同類相求む」

「目の寄るところに玉も寄る」

などがあります

最後のは良い意味だけです

 

バーンズのことばは,『蛍の光』同様,

私たちの生活に溶け込んでしまっています…

 

続きまして,ユーモア溢れる名言です

 

Even in the case of a mouse or a human being,

a very well-made prospect is often out of place.

ねずみでも人間の場合でも,

非常によくできた目論見がはずれることがよくある

 

 「非常によくできた目論見」,

ねずみですと台所でいかに気づかれずに

チーズを食べられるかでしょうか…

 

人間界でも用意周到な計画が

うまく行かないことなど,

多々ありえます

 

スペースシャトルがある時,

発射直前にストップしました

原因は,プログラムにバグがあったからなのですが,

それが「スペース」が1箇所多かったからだったとか

 

NASAの原因究明会見を見ました時,

テクノロジーってやっぱり,

冗談通じないんだなぁ,と考え込みました

 

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バーンズは女性の方々にこう呼びかけています

 

Oh women.

In heaven we can make you soften men,

and but for you, men would be wild beasts.

おお女性方よ

天は男を和らげるためにあなた方を造られる,

あなた方がいなければ男は野獣になるだろう

 

野獣か…

 

女性方がおられるおかげで,

どれだけ男同士のいざこざが軽減されているか,

感謝の意を表明しています…

 

バーンズは,

本人も幼少期から苦労したためか,

社会における貧富の差には敏感でした

 

Humans are human beings.

A place, a title, wealth and the like, are

just a decoration of pretense!

Honest people are the kings of human beings!

The power of wisdom and the value

as a human being is as high as anything!

人間は,人間である。

地位や,肩書や,富など,

見せかけだけの飾りではないか!

誠実な人間こそが,人間の王者なのだ!

知恵の力と,ありのままの人間としての価値こそが

何よりも気高いのだ!

 

誠実であること,

知恵の力を持っていること,

そしてありのままの人間としての価値,

これらの尊さを切実に訴えています

 

そして,心の優位性をこう説きます

 

  Neither treasure nor pleasure

  makes us happy for a long time.

  The heart is always an organ

  that determines happiness and misery of people.

  財宝も快楽も,

  長く私たちを幸福にはしない

  心こそ,常に

  人の幸・不幸を定める器官だ

 

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「心」がいつであれ幸・不幸を決めるもの

だからこそ,

バーンズは「良心」を喚起します

 

Fear only the voice of thy conscience, and obey it.

 汝の良心の声のみを恐れ,それに従え

 

これは鉄鋼王アンドリュー・カーネギー氏の

座右の銘だったそうです

 

「良心」とは何か

自分の中の善悪を判断する基準といってしまえば

それまでですが,小生も含め,

こうした「価値観」の根源となるものについて,

現状の日本の教育現場は

はっきり教われないシステムになっています

 

渦中の「道徳」教育とは全く違って,

幼少期から素朴な「哲学」が必要な時代が

来ている気がしてなりません

 

テクノロジー中心の社会では,

そのテクノロジーを学ぶことに

大半の教育が充てられるため,

自分で「価値」判断する思考力養成がなされません 

 

何も難しい「哲学」である必要はありません

自分独自に「考える」きっかけが,

小学生の頃からでも与えられるべきだと思うのです

 

人はなぜ生まれて死ぬのか,

なぜ国と国は戦うのか,

なぜ机は「机」で,「パン」ではないのか…

 

子ども時代に誰しも一度は頭をよぎる

シンプルな問いは,

大人になるにつれ

答えられることはおろか,

相手にさえされずに

蒸発していきます

 

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仏教学の泰斗,中村元先生は,

「哲学」を「思想学」と

呼んだ方がいいと強く主張されました

 

いかめしい一部の学者の専売ではなく,

生活で「考える」ことの延長としての「思想」,

philosophy と言うよりは,

thought や thinking くらいの気軽さで,

先人の考え方に触れるべきだ,と

 

心の鍛錬をする権利は万人の権利です

「価値中心社会」が叫ばれ始めた今,

一つには,

「小さなことに喜べる」

しなやかな感性を身につけることが

真の「喫緊の課題」に思えてなりません

 

バーンズも言いますように…

 

   One drop of water

   that shines in the corner of the leaf

   has the beauty of diamonds.

   葉の隅に輝く

   一滴の雫にも,

   ダイヤモンドの美しさがある

 

それでは,このへんで

ごきげんよう

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