tsuputon's blog

英語の名言をベースに, 哲学から医学・薬学に至る雑学を, ゆるまじめにご紹介していきます

もうちょっと早く言ってくれたら : F先生の思い出 (2) 〔後編〕

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                   Oct.7.2017

こんばんは

 

夕日といえば何故「思い出」が連想され易いんでしょうか

「黄昏れる」から?

「思い出に耽る」と言いますが

何か忘我の境地に誘われる感じはまちがいなくありますね

 

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これはセザンヌの風景画ですが

郷愁感という意味ではなぜだか, においがというか,

夕日と同類の何かを感じてしまいます

小生の共感覚はどこか変なのでしょうか・・・

 

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もうちょっと早く言ってくれたら

 

さて,今日は 4回前の
「F先生の思い出(2)」(10/1分と10/4分)の〔後編〕を
書かせて頂きます
〔前編〕〔中編〕をまだお読み頂けていない方は,
お嫌でなければ先にそちらを御読み下さいませ

 

...こうして小生の入院生活が始まりました...

まずは丸1日完全断食モードに入りました

当時, 相当食が細かったのですが

それでも辛いのは否めませんでした

テレビで気をまぎらわすにも

笑たらあかん

とのお達しもあった為,

母親がニュース番組とかばかりつけていました

そんな中, 夕方になり手術をして頂いた

イケメン先生がチェックに来て下さいました

後ろには例の婦長さんを始め手術室にいた

研修医と思われる若手医師たちもいて

少しはりつめた空気が漂っていました

 

そんな中, 先生がおもむろに

ど~ですか,痛むかな~っと,

ことこて大阪弁で話し始めました

はっきり言ってお昼すぎから麻酔が切れ

痛いというより

えも言われぬ違和感にさいなまれていましたが

何か言って大事になるのを恐れた小生は

大丈夫です

と返しました

すると先生が

あのねえ~, 盲腸, すっごい大きかったわ~,

あと2・3日放っといたら破裂してたかもね―

と, 感情込め抑揚つけて言いました

 

そして, 何気に小生は

どんなぐらいの大きさだったんですか 

と聞いた所,

え~っとね, この僕の親指くらいかなあ

と言うので,

あ―, 見たかった…

と残念がると, 先生が

盲腸だけに,

もうちょっと早く言ってくれたら

見せたげれたのにね…

 

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...すると,

母親はじめ, とり巻きのスタッフさん全員が

どっかんどっかん笑いはじめ, 張り詰めていた

空気を破壊したどころか, とっさに

笑たらあかん

ル-ルをガキつかの如く強いられていた小生も

もらい笑いし,

一瞬爆笑してしまいました

 

と, その次の瞬間でした!

あかんやん, センセ, 

この子, 笑わせたらあかん,

あっはっはっ…

と, かの厳格な婦長さんまでもが一緒になって

ツボってしまっていました...

 

すると, 当然, 自業自得ですが

お腹に激痛が走り・・・

いたた…

と叫ぶ小生に, 流石の先生も焦り気味に

あかん, あかん,

ごめんな, かんにんや,

 

と, 笑いをこらえつつ

自分のだじゃれで

受けてしまっている周りを制しようと

してくれていたのですが, 他のスタッフの方々が皆

口を押さえつつベッドに横たわる小生を

のぞき込んできましたので,

その光景がさらに小生には可笑しく見えて,

またも笑ってしまい…

いたっ, アハハ, いたっ, アハハ…

っと, 悪循環に…

 

予後はと言いますと,

その後1週間の入院中,

クラスの友人たちが毎日入れ替わり立ち替わり

お見舞いに来てくれたついでに

あかん言われてるのに

手を替え品を替えては小生を笑わせた割には

冬場たまに疼く以外は

大きな問題はなく順調でした

 

お見せすることはできませんが,

今, その盲腸の手術痕は,

タテ10 cm くらい で, 縫い目がヨコに4本の

ブラックジャック状態です

 

今となってはこうしてネタに出来ていますので

感謝しておりますが…

 

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そして, F先生の思い出・・・ 

こうしてなんだかんだありましたが

無事に1週間の入院を経て退院した後,

10月の初め, ちょうど今頃だったと記憶しています

学校の「作文コンテスト」があるので,

この入院体験について書いてみないかと

F先生から言われ, もちろん大好きな先生からの

オファーを断るアレもありませんでしたので,

間髪入れず, 書きますと言いました

 

400字詰め原稿用紙 2枚まで, でしたので,

はしょりはしょり書いて先生に提出しました

そして, 先生がチェックして下さった後,

3ヶ所, 訂正しなさいと仰いました

それは,  以下の通りです

 

① 「しゅじゅつ室を出るとお父さんが
    どうや, いたかったか?
    と笑いながら頭をなでてきました」

    →「しゅじゅつ室を出ると, お父さんとお母さんが

        しんぱいそうな顔をして待っていました

②「かんごふさんたちが口をおさえながら

       ベッドにいた僕をのぞきこんできた時, 

       笑ったらまたおなかがいたくなりました」

 →全部カットで, 替わりに

  「かんごふさんたちにいっしょうけんめい

   おせわしてもらったので,

         ちゃんと治りました

③ 題名変更

     『もうちょうのおもいで』

   →『もうちょっと早く言ってくれたら』 

 

そして, この作文は

3年生最優秀作文賞を頂きました

これもひとえに

初恋のひと

F先生のおかげです

 

おあとがよろしいようで

 

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