Nov.21.2017
入院している友人のお見舞いに行こうとして家を出,
暫く歩いてから病院の電話番号を忘れてたことに気づき,
仕方ないのでアポなしで直に行けばいいかと思い
途中果物屋さんでお土産を買ったら,
お釣りの紙幣のナンバ―がその電話番号だった…
紹介している, 自身の体験談です
こうした, 通常の「合理的思考」=意識では
どうしても説明のつかない現象例を独自に研究し
新たな心理学的概念としてユングが
「共時性」
と名付けたものです
いわゆるシンクロニシティ(synchronicity)の直訳です
「あ, シンクロしましたね…」など,
日常言語で使われるくらいにすでに浸透しています
共時性は, 別名
「意味のある偶然の一致」
と呼ばれます
英語ですと coincidence ですが
co + incidence で,
「共にある」+「出来事」ということですから,
こちらの方がイメージし易いと思います
次のようなものです
“a coincidence in time of two or more
causally unrelated events
which have the same or similar meaning”
「同一または類似の意味を持つ2つ以上の
因果関係のない出来事が起こる時の偶然の一致」
ユングは
「集合的無意識」により
私たちの無意識は連絡しあっていて
その顕れのひとつがシンクロニシティだと
考えていました
彼の語る別の例に次のようなものもあります
1805年にフランスの詩人エミール・デシャンが、ドゥフォルジュボーからプラム・プディングをご馳走してもらったことがあった。その10年後の1815年、デシャンはパリのレストランでメニューからプラム・プディングを注文したが、給仕は最後のプディングが他の客に出されてしまったと告げた。その客とはドゥフォルジュボーであった。更に17年経過した1832年、 デシャンはある集会で再びプラム・プディングを注文した。デシャンは昔の出来事を思い出し、「これでドゥフォルジュボー氏が居れば役者が揃う」と友人に冗談で話していた。まさにその瞬間、年老いたドゥフォルジュボーが部屋に入ってきたとのことである。
小生は学生の頃,
日本に初めてユング心理学を紹介された
河合隼雄先生が主催されておられました
「日本ユングクラブ」の会員でした
ユング心理学に興味のある人なら誰でも入会できた
「市民学会」的な集まりでした
河合先生はよく仏教の話をされました
テーマがシンクロニシティの時
『華厳経』の
「重々無尽の法界縁起」
に触れられました
これは
この宇宙の実相は個別具体的な事物が,
相互に関係しあい無限に重なりあっている
という考え方です
縁起=関係ということですので,
存在するものごとは, 互いに無関係ということは
ありえない, とするもので,
隣人との「関係」に悩んだりすることに始まり,
縁起が良い悪い, そして
リサ・ランドールの宇宙物理学に至るまで,
普遍的に言われうることです.
こうした見地からしますと
シンクロニシティは起こって当然のこと,
いや, 最広義に解釈するなら,
ありとあらゆるものがシンクロニシティによって
成り立っている
ということになります
そこに「意味」を見出すか否かは
こちらの技量次第ということになります
縁起説はすでに
紀元2Cにはインドのアシュバゴーシャ(馬鳴)によって
語られていたとされます
つまり, 1800年以上も前からこうした概念が
文字化されていたのです
口伝でしたら, どれ程前になることでしょう
実に深遠なミームです
確かに, よく分からないけれど
無視できない偶然というのは
時折起こります
昨日午後3時頃
最も有名な日本人 YouTuber さんの
エンディングのジャンケンシーンをまねて
スターバックスで男子2人が延々と(20分以上!)
ジャンケンしじゃれ続けていましたので,
その madness を知人にメールリポートしました
夜10時を過ぎ家庭教師先から帰宅しパスタを食べ
食後, かのHKさんの最新 YouTube 画像を見終えかけ
彼が「最初はブンブン...」と言った, まさにその瞬間,
小生がメールしていました知人から返信が来たのです!
驚いた小生はチョキを出すつもりがパーを出してしまい
あっけなく負けてしまいました…
The meeting of two personalities is like the contact
of two chemical substances: if there is any reaction,
both are transformed.
二つの人格の出会いは二つの化学物質の接触に似ている
もし何であれ反応が起これば, 両者とも変容する
C.G.Jung
人間関係は chemistry ですね…
それでは, このへんで