tsuputon's blog

英語の名言をベースに, 哲学から医学・薬学に至る雑学を, ゆるまじめにご紹介していきます

英語の名言:最も幸福な女性は,最も幸福な国と同じように,歴史なんか持っていない(ジョージ・エリオット)

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 Rafaello Santi: Sixtinische Madonna

 

                                                         Jan.11.2018  

 

 

 

ジョージ・エリオットは1819年,

イングランド生まれの女流作家です

本名はメアリー・アン・エヴァンズでした

 

彼女が二十年来交際した妻子ある男性の名前が

ジョージでした

その男性の名を筆名に使用したのは,

プライバシーを守るためと,

女性作家は陽気なロマンスしか書かないという,

固定化されたイメージから逃れるためであったと

述懐しています

 

ヴィクトリア朝の代表的な作家で,

『アダム・ビード』,『ミドルマーチ』

などの作品で知られ,

特に後者は,英文小説最高の作品とさえ

絶賛されています

 

本日はこのジョージ・エリオットの名言を

いくつかご紹介したいと思います

 

 

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 ジョージ・エリオット肖像画

 

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 Rafaello Santi: Madonna of Foligno

 

 

まずは,自己実現に向けたフレーズから…

 

      It’s never too late to be

      who you might have been.

     なりたかった自分になるのに

     遅すぎるということはない

 

偉人たちの名言を見ておりますと,

年齢を気にする発言はほぼ見当たりません

むしろ,年齢を重ねることを謳歌しているかのように

思われることが,多々あります

 

なりたかった自分=一度は諦めた自分に

もう一度なろうとすること

それに年齢制限などない

社会通念など軽く突破した先には,

可能性の大海が広がっているよ,と

言わんばかりです

 

そして,後押しするかのように…

 

    Hold up your head!

    You were not made for failure,

    you were made for victory.

    Go forward with a joyful confidence.

    顔を上げて!

    君は負けるように作られてるんじゃない,

    勝つように作られてるんだ

    嬉々とした自信を持って前に進め

 

厳格な男尊女卑が蔓延していたはずのはずの

ヴィクトリア朝イングランドで,

女性なのに男性名作家として人々を

このように鼓舞しようとしていたエリオットの真意は

察するには深遠すぎる気もします

ですが,

こうしたことばが残されているという事実は,

ネガティブ思考の人々がかなり多かったのだろうと

思わせます

 

エリオット自らの境遇からでしょうか,

男女を超えた「人間」に向けたメッセージ性が

感じられます 

 

 

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 岡本太郎『痛ましき腕』

 

 

続きまして,人間関係についてです

 

 What do we live for,

 if it is not to make life less difficult for each other?

 お互いに人生をもっと楽にするためでないのなら,

 私たちはなんのために生きているのでしょうか?

 

自分のためではなく,お互いの人生を楽にするために

私たちは生きている

 

アイデンティティを個人のみに置くことが

あたかも出発点であり終着点であるかのような

現代日本社会に生活しておりますと,

こういった愚直なコメントが

なんとぐっさり来ることでしょう!

 

さらにエリオットは言います

 

    It is surely better to pardon too much,

    than to condemn too much.

   過ちを非難しすぎるよりも,

   過ちを許しすぎる方がきっといい 

 

人を非難することはじつに簡単です

絶対に正しい人などいるはずがないのですから,

小さくても,針の穴ほどでも欠陥を見つけ,

それを拡大し吹聴すればいいだけのことだからです 

 

逆に本当に人を許すことがどれほど難しいことか…

まず,自分の心の余裕が必須です

その人の過ちから被った迷惑もすっかり忘れ,

逆にその人をいたわるほどの心の遊び場がなければ,

許すことなど出来ません

 

ガンジーはさらに,次のように述べています

 

      Hate the sin, love the sinner.

      罪を憎んで,罪人を愛せ

 

もはやこれは,神的境地ですが…

 

 

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次なることばは,

世のお父さん方には痛烈な慰め(?)です…

 

    Become the light of the home at least

    if it is not possible to become the stars above.

    空の星になれないなら,

    せめて家庭の灯になりなさい

 

……そ,そうですね…

 

また,エリオットの「女性の知恵」が煌めく一言が…

 

I’m not denying the women are foolish:

God almighty made ‘em to match the men.

女性が愚か者であるということを否定はいたしません

全能の神は男性につりあうように女性を作られたのです

 

なんとクレバーな!

高く飛ぶために低くしゃがむ,この美的レトリック!

 

もうこうなりますと,

女性でない小生にとりましてはお手上げ状態です…

皿まで食べるつもりでいきます!

 

    The happiest women, like the happiest nations,

    have no history.

    最も幸福な女性は,最も幸福な国と同じように,

    歴史なんか持っていない

 

ここでの「歴史」ということばに付託された含意は,

ありとあらゆる想像をかき立てます

ブータン人の知人パサンにこの名言を見せて,

今度意見を聞いてみます…

 

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Rafaello Santi: Madonna Della Sedia 

 

 

 

最後に,

 

    男は目の動物,

    女は耳の動物,

 

って聞いたことがあるんですが…

 

    I like not only to be loved,

    but to be told that I am loved;

    the realm of silence is

    large enough beyond the grave.

    愛されるだけではなく,

    愛してると言われたい

    静寂の世界はお墓の上に

    いっぱい広がってるんだもの

 

ごめんね…

 

それでは,このへんで

ごきげんよう

 

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