tsuputon's blog

英語の名言をベースに, 哲学から医学・薬学に至る雑学を, ゆるまじめにご紹介していきます

英語で名言を:「お地球見」しながら、宇宙日本食の緑茶を飲みたくなります。(金井宣茂)

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                                                           June.4.2018 

 

 

金井宣茂さんは,1976年千葉県生まれの

JAXA宇宙飛行士・医師です

 

このたび約半年の国際宇宙ステーションでの

ミッションを経て,

無事地球に帰還されました

 

金井さんは,

宇宙からツイッターで毎日のように

地上にメッセージを送り続けておられました

 

一般の方からのご質問に答える形もあれば,

ただご本人が思われたことを

つぶやいておられることもありました

 

金井さんのお人柄が自然とうかがえるものもあり,

無重力空間からの貴重なメッセージの数々です

 

本日は,そのつぶやきの中から

いくつかの名言をご紹介したいと思います

(英文拙訳) (@Astro_Kanai参照)

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まずは,昨日の帰還直前に

つぶやかれた,感慨深いものからです

 

約半年間の宇宙滞在でしたが、

起きて、食べて、仕事をして、寝て…

という日常は、驚くほど普通です

人間の活動領域として、ますます宇宙は身近になり、

もっと多くの人たちが、宇宙を舞台に、

様々な活躍をするようになっていくでしょう

(2018/6/4)

I have stayed in space for about half a year,

but everyday life of getting up, eating, working,

and sleeping is surprisingly usual.

As a realm of human beings,

space will get more and more familiar

to many more people, which enables them

to perform various things

at the stage of space.

 

まさしくリアルに宇宙飛行士の方から

こう言われますと,

宇宙がとても身近に感じられます

 

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 国際宇宙ステーションから見た東京・名古屋・大阪の「夜景」

 

 

続きまして,

宇宙空間からならではの,

想像を超える驚きのご報告です

 

実は、

宇宙に着いてからの身体計測があったのですが、

な、な、なんと、

身長が 9センチも伸びていたんです!

たった 3週間でニョキニョキと。

こんなの中高生のとき以来です。

帰りのソユーズの座席に体が収まるか、

ちょっと心配です。(2018/1/9)

Well, they measured my stature

after reaching space; to my great surprise,

mine was longer than that I had had on the earth,

just in 3 weeks!

I had never had such experience

since I was a highschool student.

I’m wondering if I’ll adjust myself to Soyuz.

 

9センチ!

恐るべし,無重力圏!

イメージしただけで,少しぼぉ~っとしてきます

 

最後の一言をしっかり挟んで来られるあたりが,

並々ならぬユーモアセンスを感じます

クラスにいたら,

真っ先に声をかけて友だちになってしまいます…

 

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ですが,

宇宙空間は万人を哲学者にすると言います

常に死と隣り合わせだからです

 

本当はいま・ここの地球であっても,

誰でも死と隣り合わせなのですが,

あらためて無重力空間という

極限の異常な場に放り投げられる,

エキセントリックな事態では,

時に「神を見る」宇宙飛行士すらいるそうです

 

2018年3月時点で,高度100キロ以上の

宇宙に行ったことのある人ののべ人数は

1255人だそうです

そのうち,これまで数名の宇宙飛行士が

地球に帰還したのち,

神父や牧師になっています

「一般的」地上感覚からしますと,

とても多い気がします…

 

金井さんはやや詩的に,こう語っています

 

よく言われる言葉ですが、

明けない夜はありません。

曇りだったり、

ときには土砂降りの雨の日もありますが、

それでも地球は回り続けています。(2018/5/1)

It is often said

that there is no night that won’t  dawn;

there are cloudy, or pouring days there,

but the earth keeps going around.

 

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また,

ため息が聞こえてきそうなつぶやきもありました

 

宇宙からもはっきりとわかる人の営みの力強さと、

大自然の中で、地理や気候に規定された

一定の領域にのみ暮らす人の限界を

同時に感じさせます。(2018/4/20)

I can feel at the same time

both the strength of human endeavors

which can be seen from the space,

and the human limitations of living

only in certain areas restricted

by the geography or climate in the great Nature.

 

 生きるとは重力に逆らうことである

ということばを聞いたことがあります

たしかに私たちの生は反重力的営みです

 

子どもの成長過程

直立二足歩行

食と排泄

生まれたのに死ぬこと

 

老若男女全員が生老病死を経験します

いえ,

生老病死という重力圏こそ,

私たち生きとし生けるもののアイデンティティです

 

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金井さんは「重力」をキーワードとしたご質問に,

フランクにこう返されておられました

 

生命は重力から解き放たれて、どこへ行くのか?

それとも重力を離れては存在できないものなのか?

地球外生命体がいるならば、

そもそも生命の定義はどうなるのか?

はるかな遠い未来の生命の姿を、

この目で見てみたいものです。(2018/4/1)

Released from the gravity, where is our life going?

Or can’t we exist without the gravity?

If there are extraterrestrials,  

how can we define life first?

I’d like to see the too far future form of life,

with these very eyes of mine.

 

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様々な意味合いで,

これから私たち人類は

「無重力」に直面せざるを得ない時代に突入しました

 

五次元方程式を提唱されたリサ・ランドール博士は,

私たちの住むような三次元空間は

五次元宇宙に無数にあって,

お互いを行き来できる物理的な力は

重力だけだと仰ります

 

現在無重力について勉強せざるを得なくなった

ということは,言い換えますと,

三次元空間のみに縛られているのではなく,

時間も空間も超えて私たちを包み込んでいる

五次元宇宙の存在をお認めなさい,

と言われているということでもあります

 

tsuputon7.hatenablog.com

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こうした現場の最前線におられながらも,

金井さんのメッセージは「現実的」なものです

 

過ぎ去った昨日という日には戻れませんが、

今から始まる今日という日は、

何にでも挑戦できる可能性に満ちています

(2018/6/3)

We cannot go back to yesterday,

which has already passed;

but the day of today,

which will begin from now on,

is filled with possibility

that you can challenge anything.

 

そして,私たちの未来を担う

子供たちへのメッセージを海外の方から求められて,

英語で答えておられました

 

I would say,

“Study hard, help friends and family members,

and be curious about anything around you.

「一生懸命勉強して、友達や家族を助け、

  そして自分の周りのどんなものにでも

  好奇心を持とう」

と言いたいです。(2018/3/26)

 

率直で端的明瞭なフレーズです

 

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宇宙ステーションにまつわる課題は山積しています

 

これまで人類が無思慮に打ち上げ続けてきた

宇宙衛星の残骸であるデブリと呼ばれます宇宙塵が,

皮肉なことに,

他の宇宙船やステーションに衝突する危険を

未然に回避しなくてはなりません

 

人類が自分たちで作った産物によって,

自分たちが被害を受けるという

途方もなく巨大な「自己矛盾」

 

地震による被害の大半が,

地震そのものや自然界によるものではなく,

原発を筆頭に人工物によるものです

ツナミのガレキは全てヒトが作ったものです

 

どうしてだか,

人類は自業自得のカルマを

宇宙空間でも受けざるを得なくなっています

だからこそ,お互いに知恵を出し合い,

人ごとではない取り組みをしていく必要に

迫られているのです

 

たとえば,

十万キロほどの宇宙エレベータによって,

宇宙ステーションなどへの物資補給が

できるようになれば,

使い捨てロケットで何回も送りこむ時より

コストも桁違いに下げられ,

エコロジーにも繋がるそうです

 

現在,

日本の大手デヴェロッパーさんがリーダーとなり,

具体的に建設計画を立てておられます

 

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初めての方へ──宇宙エレベーター早わかり | 一般 | JSEA 一般社団法人 宇宙エレベーター協会

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 宇宙エレベータ完成予想図

 

 

あらゆる意味で,

現代の人類代表でもある偉業を成し遂げ,

帰還された金井宜茂宇宙飛行士

 

ですが…だからか…?

 

個人的には次のギャグセンスには

ノックアウトされました…!

 

わざわざ天上世界に行かなくても、

こうしてみれば地球はキラキラと光に満ちた

いいところですねぇ。

「お地球見」しながら、

宇宙日本食の緑茶を飲みたくなります。

(2018/5/4)

We don’t have to go to the celestial world;

looking at her like this, we can know

how great a place the earth is,

glittering, filled with light.  

I'd like to have a cup of green tea

of space-Japanese, ‘seeing our lovely earth.’

 

お月見→おちゅきみ→お地球見…

無重力にはかないませぬ!

宇宙からの幼児語を絡ませたギャグ,

しかもダジャレは,人類初なのでは…?

 

おあとがよろしいようでm(— —)m

 

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※私的事情により,明日の投稿はお休みさせて頂きます