June.21.2018
ニコラウス・コペルニクスは，
それまでの地球中心に宇宙は回っている，
とする「天動説」を覆し，
太陽中心説である「地動説」を唱えました
天文学史上最大の発見と言われています
科学革命を起こした人物と称されます
最近ではやや耳にすることが
少なくなってきた気もしますが，
自己中心的な人を指して
「あの人，天動説だよね」という比喩で
使われることもあります
「地動説だよね」というポジティブ思考の
コメントはあまり聞かないですが…
また，
旧来の社会常識を覆す発想をした場合に，
「コペルニクス的転回」というフレーズも
一時期よく聞きました
最近あまり聞かないのは，
そうした革命的で斬新な発想が
AI化社会の相互監視が日常的になり，
暗黙裡に抑圧されやすい風潮が
蔓延しているからでしょうか？
一昨日のサッカーワールドカップの
西野ジャパンが起こした偉業が，
まさに日本サッカーの
コペルニクス的転回となることを
祈っているのですが…
本日はこの，コペルニクスの
名言のいくつかをご紹介したいと思います
（和文拙訳）
コペルニクスのサイン
まず，「真の知識」についてのコメントです
To know that we know what we know,
and to know that we do not know
what we do not know,
that is true knowledge.
自分たちが知っていることを
自分たちが知っているのだと知り，
自分たちが知らないことを
自分たちが知らないと知ること，
それこそが真の知識である
当たり前と言えば当たり前のことです
ですが，
小生などは気づけば出来ていないことです
知っていないのに知っていると思う
知っているのに知らないと思う
この自己認識の倒錯と格闘することに，
どれだけ無駄な時間とエネルギーを
費やしてしまっていることか…
一日の終わりにふと我に返って，
愕然とすることがあります
コペルニクスは自身の「地動説」が
すぐに受け入れられるとは
思っていませんでした
Those things which I am saying now
may be obscure,
yet they will be made clearer
in their proper place.
私が今言ってることは曖昧かもしれないが，
より適切なところでは，
もっと明らかにされることだろう
これをガリレオ・ガリレイが
望遠鏡を使った観測により，
「証明」し裁判にかけられたのは，
約1世紀後でした
人類史上に残る有罪冤罪判決を受けた際，
「それでも地球は回っている」
と呟いたガリレオに
ローマ教皇が謝罪したのは，
ヨハネ・パウロ2世で，なんと
約400年後の1983年5月9日です！
コペルニクスは地球が「丸い」ことを
どうやって認識していたのでしょうか
The earth together
with its surrounding waters
must in fact have such a shape
as its shadow reveals,
for it eclipses the moon
with the arc of a perfect circle.
大地は
それを取り囲む海域とともに，
実際その影が明らかにするような形を
持っているに違いない
と言うのも，
月を完全な円弧で欠けさせるからだ
望遠鏡もない時代の方法論としましては，
数学と「目視」による観察しか手立ては
ありませんでした
そんな中，誰しもが疑問視しなかった
「月の満ち欠け」から
地球の形が分かったのは，
やはり天才的気づきでした
Since nothing prevents
the earth from moving,
I suggest
that we should now consider also
whether several motions suit it,
so that it can be regarded
as one of the planets.
For, it is not the center
of all the revolutions.
何者も地球が動くことを邪魔しないので，
私が思うには，
地球が惑星の一つとしてみなされるように，
様々な動きが地球に合っているのかどうかを
また今考えるべきだということだ
というのも，
地球はあらゆる公転するものの
中心などではないからだ
彼以前にも天動説は数例あったようですが，
ほぼ全ての人が延々と疑いすら
抱いたことのなかった地動説を，
たった一人で唱え始めた勇気は
やんごとなきものです
Those who know
that the consensus of many centuries
has sanctioned the conception
that the earth remains at rest in the middle
of the heavens as its center, would,
I reflected, regard it
as an insane pronouncement
if I made the opposite assertion
that the earth moves.
何世紀もの間同意されてきたことで，
抑制されてきた考え方がある
それは，私が思うに，
もし私が地球は動いていると
反対の主張するならば，
地球は天の中心として
その中央部にとどまっているという考え方は，
正気ではない声明とみなせるだろう
ということだ
現代の「天動説」は何でしょうか…
思考実験として，
身近な例から始め，
学校，会社，地域社会，国家，地球レベルへと
俯瞰していきますと，
むしろ未だに「地動説」が
いかにマイナーかが実感される気がします…
「相対性理論」も同じくです
Moreover,
since the sun remains stationary,
whatever appears as a motion of the sun
is really due rather to
the motion of the earth.
さらに，太陽は静止したままなので，
その動きとして思われるものは何であれ，
実際にはむしろ地球の動きによるものである
コペルニクスは発表当時，
数名の友人である数学者たちにしか
「地動説」についての論文や手紙を
送らなかったと言います
本人は出版を頑なに拒み続けました
全く一般に知らしめるつもりは
なかったようです
初めて同説を発表したのが1510年ですが，
真に公になったのは
一人弟子レティクスに嘆願された
1539年のことでした
Yet if anyone believes
that the earth rotates,
surely he will hold
that its motion is natural,
not violent.
だが，もし誰であれ地球が回っていると
信じるのであれば，
確実にその人は，
その動きは自然なものであって，
無謀なものではないと思うことだろう
そして…
Finally we shall place the Sun himself
at the center of the Universe.
最終的に私たちは，
太陽自体が宇宙の中心である
とすることだろう
望遠鏡もない時代に，
数学と想像力のみでこの考えに至れた
コペルニクスの宇宙観に，
アナログ・デジタル両方のデヴァイス無くして
生活できなくなってしまっている
小生自身の日常をスライドし
色分けし差異化しますと，
自らの能力の卑小さに
ため息をつくしかありません
インターネット・リテラシーを上げずに
「普通の」生活が送れない
テクノロジー帝国から，
無性に脱出したくなる瞬間もあります
コペルニクスは紙とペンと目と想像力で，
こんなことまで言い得ていたのですから…
First of all,
we must note that the universe is spherical.
まず私たちは，
宇宙が球状であると気づかなくてはならない
そうか，宇宙か！
それでは，このへんで
