tsuputon's blog

英語の名言をベースに, 哲学から医学・薬学に至る雑学を, ゆるまじめにご紹介していきます

英語の名言:自分たちの人生は自分たちのアートだよ(ジョン・レノン)

f:id:tsuputon7:20180223150441j:plain

 

                                                            Feb.23.2018 

 

 

ジョン・レノンは,1940年イギリス・

リバプール生まれのミュージシャンです

言わずと知れた,ビートルズのリーダーです

 

ビートルズ絶頂期にインドのヨガの師に弟子入りし

瞑想を行うなど,  

東洋的文化にも深い関心を持っていました

いわゆるヒッピー文化を牽引した1人でもあります

 

   イエスは正しかったさ。

   だけど弟子達がバカな凡人だった。

   僕に言わせれば、奴らがキリスト教

   捻じ曲げて滅ぼしたんだよ

 

という,

いわゆる「キリスト教発言」でも話題となりました

対社会的な意識は,不遇な幼少期を経て

青年期になるにつれ,さらに強まっていった

と言われます

 

1970年にビートルズが解散した後も, 

日本人の奥様オノ・ヨーコさんと

平和運動家としても活躍されました

 

本日はこの, ロックン・ロール史上に

不朽の名声を残しました,

ジョン・レノンの名言のいくつかを

ご紹介したいと思います

ジョン・レノン - Wikipedia参照

 

f:id:tsuputon7:20180223124926j:plain

 

 

まずは,人生についてのコメントです

 

    Life is what happens to you

    while you’re busy making other plans.

   人生って,人生以外の計画を立てるのに

   忙しい時自分に起こることだよ

 

自分の人生について意識しすぎている時には,

本当の人生は送れていない

 

「あー,これが人生だ」という思いすら

一切出ない瞬間にこそ,

自然と起こることが人生だ

 

ジョンはこの無意識の作用に

気づいていたのだと思われます

 

そして,こう語りかけます

 

    Life is very short

    and there’s no time for fussing and fighting,

    my friends.

   人生はとても短い

   だから友よ,

   空騒ぎしたり,争ったりする暇なんてないんだ

 

つまらないことに短い人生を費やす暇などない

ジョンにとって社会で起こることの大半が,

単に人々が騒ぎ,争い,そして戦争につながる

何かにしか映らなかったのでしょう

 

f:id:tsuputon7:20180223125212j:plain

 

 

では,  まず私たちがしなければならないことは… 

 

   We need to learn to love ourselves first,

   in all our glory and our imperfections.

   私たちは自分の栄光と不完全さを認めて,

   まず自分自身を愛するようにならなきゃ

 

仏陀は,自身の教えの本質はと問われ,

「自信を持つこと」だと仰いました 

 

自己嫌悪感にさいなまれている間は,

自分自身にだけでなく,

他者対してもプラスになることは何もできません

被害妄想・誇大妄想に駆られている間は,

ポジティブな気持ちにはなり得ないからです

 

こうした気持ちから離れるためには,

自分が存在できているという「栄光」感覚と,

自分のなかの「不完全さ」と認め,

そうした自分自身を愛すること

そこから始めなければ,

小さくても自分に対して自信が持てませんし,

そのあとでどんな仕事をしようとも

いいものができそうもありません

 

もちろん,自己愛の塊になれ

という意味ではありません

それは他者との比較の末でのものです

 

無比較のうちに自分を愛する

そうあれて,初めてものごとがポジティブに動く…

 

ただし,  誰しも自分の弱さを

誰かに吐露してしまいたいものです

 

   Half of what I say is meaningless,

   but I say it just to reach you.

  僕の言うことなんて半分は意味もないけど,

  ただ君に聴いて欲しくて話しているんだ

 

このことばには,  カウンセリング理論の

基本中の基本と言われる

「傾聴」による癒しを求める,

ジョン自身の本音が表れています

 

家族や異性間だけでなく,友人どうしであっても,

話しを聞いてほしいときには,  

アドバイスが欲しいのではなく,

ただただ聞いて欲しいというのが本音だったりします

その時,  

聴き続けてくれる存在が傍にいてくれること…

まさにそのことが心の癒しとなるものです

 

もっとも,「意味のある話」が全てだったら,

あらゆる人間関係が

ビジネスライクになってしまいます!

 

f:id:tsuputon7:20180223125255j:plain

 

 

ジョンは私たちのアイデンティティーに関して,

シンプルな考えを示しています

 

   You don’t need anybody to tell you

   who you are or what you are.

   You are what you are.

   自分がどんな名前で何者なのか

   誰かに指摘してもらう必要なんてない

   あなたはまさしく今のあなただ

 

誰かになる必要などありません

いえ,誰かになることなどできません

 

こればかりは,世界中の70億以上の人たち全員に

完全に当てはまる真実です

ですが,どうしてなんでしょう,

誰しも誰か他の人になろうと思うときはあります

成長の過程で,大人になってから,年老いてから,

「あの人のようであったら」という思いは

私たちに生涯つきまとうものかもしれません

しかし,その限りでは,  誰しも自分自身を愛せず,

自分の良いところも悪いところも

無視した生き方をすることになってしまいます

 

そうではなくて,自分であることを自分自身が

まず100%受け入れることから進められれば,

その時にこそ,何か次に創造的なことができる,と

ジョンは言いたかったのだと思います

 

 

f:id:tsuputon7:20180223125344j:plain

 

 

晩年,ジョンがオノ・ヨーコさんとともに

行っていました平和活動に対する思いが込められた

名言がいくつかあります

 

   I think our society is run by insane people

   for insane objectives. 

   僕らの社会は狂った目的のために,

   狂った人々によって動かされている

 

冒頭に挙げました「キリスト教発言」然り,

ジョンは「社会悪」に対する

非常に鋭敏な感覚を持ち合わせていました

そして,その思いを鮮烈かつ端的明瞭なことばで

表し続けました

 

たとえば,  平和に関しましては… 

 

    Everybody’s talking about peace,

    but nobody does anything about it

    in a peaceful way.

    みんな平和について語っているけど,

    誰もそれを平和的な方法で

    やってない

 

「平和のための戦争」ほど

自己矛盾を孕んだ表現はありません

ですが,現状,全世界のほぼ全ての国家が

この幼稚極まりない矛盾を標榜しています

 

さらに印象的な表現では… 

 

If everyone demanded peace

instead of another television set,

then there’d be peace.

もしすべての人が

もう一台テレビを欲しがるかわりに平和を要求したら,

そのとき平和は実現するだろう

 

現代ですと,

「もう1台スマホを」となるところでしょうか…

 

f:id:tsuputon7:20180223125515j:plain

 

 

1973年4月1日に,ジョンはヨーコさんと共に

「ヌートピア」の建国を宣言しました

 

    NUTOPIA has no land, no boundaries,

    no passports, only people.

  「ヌートピア」は国土を持たず,国境を持たず,

    旅券もなく,ただ住民がいる

 

国旗が真っ白なこの国家は,

自ら「国民である」と宣言した人全員が国民です

ウイキペディアでは次のように定義されています

 

この国家はジョン・レノンの楽曲『イマジン』で謳われている理念に基づいており、領土はないため国境もなく、したがって領土紛争は起こらないとされる。また、ヌートピア国籍はヌートピア国民になる意思を表明すれば自動的に取得できる。また離脱を表明すればヌートピア国籍からの離脱も可能である。二重国籍については許されているものと推定される。

ヌートピア - Wikipedia

 

世界最高のロックン・ローラーの地位も捨て,

勇気を出して個人の力で世界中の国家原理に

立ち向かおうとして行ったジョンの姿は,

もはや行動する聖者のそれでした

 

最後に非業の死を遂げましたジョンは,

世界に向けて歌だけでなく,

不滅のメッセージを残していました

 

    Our life is our art.

    自分たちの人生は自分たちのアートだよ

 

それでは,このへんで

ごきげんよう

 

f:id:tsuputon7:20180223125645p:plain

ヌートピアの国旗