tsuputon's blog

英語の名言をベースに, 哲学から医学・薬学に至る雑学を, ゆるまじめにご紹介していきます

英語の名言:悲しみで勇気づけられるように,幸せで勇気づけられることもある (アドラー)

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                                           Dec.1.2018

 

 

ルフレッド・アドラーは,

1870年オーストリア生まれの

精神科医・心理学者です

 

西洋ではフロイトユングと並んで,

現代心理学の3大巨頭と称されています

 

ただ,アドラーの理論がフロイトユング

心理学理論と決定的に違うところは,

過去志向ではなく徹底した未来志向で,

たとえ今の今まで何があったとしても, 

たった今から自分が思い描く未来を

作っていけるはずだと考える点です

 

個人的・社会的に

過去がどれだけ暗くても,

この瞬間から新しく明るい未来を

創造していかれる,

あるいはそうしていきたいという

切なる思いこそ,

アドラー心理学がこれほどの人々の

支持を得ている理由なのかも知れません

 

本日はこの,アルフレッド・アドラー

名言のいくつかをご紹介したいと思います

 (和文拙訳)

tsuputon7.hatenablog.com

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まずは「意味」と「状況」についての

コメントからです

 

Meanings are not determined

by situations,

but we determine ourselves

by the meanings we give

to situations.

意味は状況によって

決定されるのではない

私たちは状況に与える意味によって

決断をするのだ

 

「状況」は私たちの「外」のものです

「内」の要素はありません

そこに「意味」を与えるのは,

私たちの「内」なる心です

 

すでにこのコメント一つをとりましても,

アドラーフロイトユングのような

過去の心的外傷,

つまり「トラウマ」に対して,

意味付けをするのは自分自身だ

という考え方を持っていたことが

うかがえます

tsuputon7.hatenablog.com

 

ですからアドラーは,

子どもの教育に関しても,過去の状況に

新たな意味付けすることにより,

その子の可能性を拡大させ得るきっかけを

作れると考えていました

 

 

We cannot say

that if a child is badly nourished

he will become a criminal.

We must see what conclusion

the child has drawn.

子どもがひどく育てられたからといって,

その子が犯罪者になるとは言えない

私たちはその子がどのような結論を

引き出したのかを見なければならない

 

このような見解は,

例えば日本仏教の浄土真宗の開祖

親鸞の,おごれる聖人ではなく,

悪人こそ救われる可能性があると説く

悪人正機説」にも

通底するものが感じられます

 

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アドラーは独自に「個人心理学」を

確立した心理学者でしたが,

同時に「共同体」の中での「個人」

も強く意識した人でした

 

It is the patriotic duty of every man

to lie for his country.

自国のために嘘をつくことは,

あらゆる人間の愛国的義務である

 

なんとも身につまされる話です

こうしたコメント見るにつけ,

「国家とは何か」と思ってしまいます… 

 

他にもアドラーは,国家にまつわる

コメントいくつか残しています

 

It is always easier to fight

for one's principles

than to live up to them.

自分の原理原則に沿っていくよりも,

そのために戦う方が常に容易である

War is organized murder

and torture against our brothers.

戦争とは同胞に対する

組織化された殺人であり拷問である

Our modern states are preparing

for war without even knowing

the future enemy.

私たちの現代国家は,

将来の敵を知ることすらしないで

戦争の準備をしている

全てが言い得て妙な気がします…

 

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アドラーは,

劣等感によってさいなまれた

過敏な強迫性障害の症状は,

実は形を変えた優越感に

裏付けられたものと考えました

 

It is one of the most

effective attitudes of the neurotic

to measure thumbs down,

so to speak,

a real person by an ideal,

since in doing so

he can depreciate him

as much as he wishes.

強迫性障害の人の

最も効果的な態度の一つは

いわば理想によって,

その人がダメ出しをすることだ,

と言うのも,そうする中で

その人が望むだけ

その人を軽視できるからだ

 

社会の中で生活する以上,

自己と他者との比較は避けられません

ですが,その程度が過剰な場合に,

このように本人の一人芝居が始まり,

お互いを誤解した状態のまま

人間関係を続けていく

これは日常生活の中で無数に

あり得る場面です

 

他者との比較は,

実は個人個人の頭の中,

つまり「ことば」によってなされます

ところがそれは,リアリティーとは

全く違うものでもあり得ます

むしろリアリティーとは

無縁と言っていいほどの

自由度があります

 

アドラーは鋭くその点を指摘します

 

Trust only movement.

Life happens at that level of events,

not of words.  

Trust movement.

行動のみを信じなさい

人生は出来事のレベルで起こるのであって,

ことばのレベルでではない

行動を信じなさい

 

友だちを選ぶときには,

その人のことばではなく行動を見なさい,

と小生の小学校の恩師は

よくおっしゃっていました

 

言うは易し,するは難し…

 

こうした「ことば」は

「物質」にも投射して考えられます

 

It is less important what one has

than what one does with

what one has.

持っているものを使ってすること

よりも,持っているものは

重要ではない

 

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幼少期のアドラー

 

アドラーは自他共に認める

楽観主義者でした

 

目的志向・未来志向のその心理学は,

「いま・ここ」から

いついかなる時であれ,

新たな生を送られるとする,

強い信念に支えられていました

 

過去の傷にほだされることも自由です

未来の薬にゆだねることも自由です

 

時空を超えて,

人がよりよい生を営むためには,

何を隠そう「勇気」が必要だ

 

アドラーのメッセージは,

怖いほどに端的明瞭でした

 

There is a courage of happiness

as well as a courage of a sorrow.

悲しみで勇気づけられるように,

幸せで勇気づけられることもある

 

それでは,このへんで

ごきげんよう

 

 

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