tsuputon's blog

英語の名言をベースに, 哲学から医学・薬学に至る雑学を, ゆるまじめにご紹介していきます

「2」聞いて「1」話す : ユダヤ人の知恵

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                 Nov.8.2017

 

 

 

日頃スターバックスにいますと, いろいろな方々が

様々なお話をしている場面に巡り合わせます

イヤホンやヘッドホンをしていないと

必然的にその内容も耳に入ってきたり

気がつけば

お二人のうちどちらか一方の肩を持つ自分もいたりして

 

昨日も新宿のとあるスターバックス

このブログの記事を書いていたのですが

お昼時に

割と深刻な話をするOLさん二人がお隣に来て

どうもその一方が会社を辞めるか辞めないか考え中で

どうしよう, という相談を持ちかけていて,

お話し相手がどうしてもやめてほしくない

と主張していました

 

相談を持ちかけている方としては

ご自分と上司と・同僚との折り合いがほとんどつかず

仕事がただただストレスでしかない, と

聞き役の方は

それはたまたまで, もっと違う人と積極的に話とかすれば

 毎日少しずつ楽しくなって仕事が苦じゃなくなるよ,

何だったら良い知り合い紹介するよ, と

 

お互い主張同士で平行線のまま

笑い声など一瞬たりともなく

おそらくは

お休み時間の大半である小一時間を過ごした後

冷めきったトールラテを2人とも一気飲みして

帰られました

 

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この時, ふと河合隼雄先生の

『心の処方箋』(新潮文庫)のコラムタイトルであり

名言と言いうることばを思い出しました

 

        100%正しい忠告はまず役に立たない

 

河合先生曰く

今日,

世の中にはいつも100%正しい忠告をするタイプの方々が

結構おられるけれども,

状況と言うのは日々刻々変化するのだから,

その人が100%正しいと思っていることも

そうでなくなるシチュエーションも多々あり,

役に立たなくなることも多い

その時その場の真実に賭けて言うことが

忠告することの難しさであり面白さである

 

確かにこれは一理ある話で

心当たりも多々ある話です!

 

スタバのOLさんたちは

どちらも主張としては100%正しいのかもしれません

まず悩みを持ちかけられた方の不平不満の内容は

その方にとっては, それは100%真実なんでしょう

一方, それを聞かれた方が

もっと他の人にコミニケーションとれば?

という主張, これも100%正しい, むしろ

ある意味で忠告としては申し分ないのかもしれません

 

ですが, これでは

コミュニケーションとは呼べないのではないでしょうか?

communicate という単語は, 分解しますと

  comm + uni + cate で, 順に

「共に + ひとつ + を作る」

つまり,

「一体化する」

というのが語源です

 

かのOLさんたちは分裂したままだったのでは…

 

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ユダヤ人が『タルムード』という

ユダヤ教聖典注釈書を,

子供の頃から覚えさせられ,

それをもとに思考トレーニングを日常的に行う

ということはよく知られています

あのユダヤ人の頭の良さを育む土壌とも言われています

アインシュタインも『タルムード』で

ユダヤ教の発想を身に付けていなかったら

相対性理論は思いつかなかったと述懐しています

 

小生がかつて読んだことのある本の中で

次のような印象的なユダヤ人の諺がありました

 

  人間は耳が2つで口が1つなのだから

  「2」聞いて「1」話すのがよい

 

先程のOLさんの例ですと

お互いが「1」聞いて「1」話す

あるいは「0.5」聞いて「1. 5」話すモードでしかない

ように思われました

 

でもこの割合は小生も含め, 人間関係上

非常によく見られる現象かもしれません

人の話を「2」聞いて,

その中から大事なことを自分なりに整理し考え

「1」話す

 

理想的かもしれません

 

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広隆寺 弥勒菩薩半跏思惟像

 

小生は家庭教師業しています中で, 自然ななりゆきで

生徒さんの悩み相談の形になることも多々あります

 

フタを開けてみますと,

その大半は聞いてほしいだけで,

何か具体的なアドバイスが欲しい

というものではありません

ですので, 人によっては

「7」聞いて「3」話す

いえ, 「9」聞いて「1」話す

「10」聞いて「0」話す!

のが上手くいったという経験もあります

「うん, うん, へえ~」「うん, うん, へえ~」

ほぼ2時間連続で言っただけで, ご本人は満足し,

嬉々として, 授業が終わるとか

 

言うは易しするは難しですが

「聞くこと」は社会昔的責任も帯びてくる話であって

相手を尊重しその間のコミュニケーションを円滑にするためにも

心がけ次第で誰しもがすぐ始められる

人間関係の潤滑油なのかもしれません

 

「うん, うん, へえ~」は,

大変優秀なオススメミームです…‥

 

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 やっぱり, ユダヤ人って, 端的に鋭いですね

 

最近気になりました

ユダヤ人の教育熱がうかがえる諺を

4つご紹介します

 

  Learning is a lifelong occupation.

  学びは生涯の仕事だ

 

  The man who lacks learning lacks everything.

  学びの欠けている人はすべてが欠けている

 

  You say when I have time I will study,

  you may not have time.

  「時間ができたら勉強しよう」と言っているようでは

  時間はできないだろう

 

  Study leads to action.

  勉強すれば行動したくなる

 

それでは, このへんで

ごきげんよう

 

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