Oct.15.2017
※この記事には〔前編〕が御座います
宜しければそちらを読まれた後
当記事を読んで頂きたく宜しく御願い申し上げます
ろうそくを手に村長の娘は
そう言ってゆっくりと近づいてきました
もはやMは
先ほどまでの夢見心地も一切吹き飛んでしまい
自分の横に寝そべようとする村長の娘から
どうやって逃げるかタイミングを図りました
そして, 娘が横になってろうそくの火を消した瞬間
Mはすっくと起き上がり,
リュックだけを手に取って
外に停めてある自転車に飛び乗り猛スピードで
こいで逃げ始めました
すると, 娘は
あばばばば一
と雄叫びのような声を上げ
寝ている村の若い衆をたたき起こし
追いかけろと言う指示を出したようです
自転車に飛び乗ったはいいものの
森の中でしたからそんなにスピード出せるわけなく
木の小枝にからまったりして, パニックの中
Mは手間取っていました
なにせ, 真っ暗闇ですから
すると背後から矢のようなものが飛んできて
止まれ! 止まれ! 止まらないと知らないぞ!
と言う意味の現地語を叫びながら
若者数人が追跡してきていました
Mはもう
小枝も何も気にしてる場合ではありませんでした
既にその段階で自転車はパンクしていたようです
それでも
普通に走るのでは彼らには負ける,
負けたら殺されると思ったので
死に物狂いでこぎ続けました
アマゾン川流域の現地の蛙の声が
若者たちの雄叫びと絡んで, 何故かスローモーションで
不思議な音楽のように聞こえたと言っていました
所謂, 臨死体験をしたと語られる方がよく言う
「走馬灯現象」だったのでしょうか
その後何処をどう端かわからないけれど
とにかく命からがら逃げだして1番近くの大都市まで
向かっていくしかないと思いアマゾン川沿いを
暗闇の中走り続けました
自分の感覚では30分ぐらい走ったくらいのところで
呼吸困難状態になり, その場に倒れ込みました
朝起きるとそこは最初にガイドさんと出会った
大都市の入り口でした
そこからガイドさんにまず連絡をしよう
と思ったのですが
なんとガイドさんの電話番号を記したメモを
テントの中に置き忘れてしまっていたので
連絡等できません
それどころかフィールドワークしてきた
ルーズリーフノートとカメラと100本以上のフィルムすべて
置いたままでした
さすがのMも, それらよりも命の方が大事だったんだなと
その時自分で自分を笑いながら思ったそうです
その後Mはその都心に入り
巡回中のポリスに事情を説明したところ,
たまたまガイドさんのことを知っていて
電話で問い合わせた所,
先方が名前を覚えていてくれたので
何とか保護してもらえる状態になりました
とは言え,
後々考えたらありえないことだと思ったそうですが,
その大都市であれば距離的に
部族の衆が追いかけてくる可能性が
なきにしもあらずと考え
彼は翌日首都ブラジリアに向かい
その地を後にしたとのことでした
これまで御紹介致しましたMのお話しは南米編でした
今後, ヒマラヤ編, インド~エジプト徒歩の旅編を
折々にお伝えするつもりです
信じるか信じないかは読者の皆様次第ですが,
小生は腐れ縁ということもあり, もはや
疑う気もしないレベルの奇友がのたまうことなので
面白く信じることにしています
それでは, このへんで