Sep.27.2017
こんにちは
天気予報によると,
今週末からやっと本格的な秋の雰囲気になる
ということで
都心部でも
徐々に秋らしい気配がしてくるのでしょうか
個人的には
この季節はとても風流がある好きなのですが
そういうのは人それぞれのようですね
知人の中には
夏から秋にかけての肌寒くなっていく雰囲気が
1年で1番嫌だと言う人もいるし
体感温度も食の好み同様千差万別のようです
こうした多様性も
日本ならではの気候風土が生む良さですよね
さて, 今日取り上げるのは
あまりに長いので, タイトルは「ゲーテ」だけにしました
超越的にポジティブなゲーテ
新潮文庫の格言集は座右の書の1つなのですが,
ややへこんでいるときに読むと
はいそうですか, すみませんがんばります
となってしまい
その激ポジミームは
太陽を直視するかのようです
一例を挙げると
Just trust yourself,
then you will know how to live.
ただ,自分自身を信じてみなさい,
そうすればどうやって生きればいいかわかるだろう
→ これ,
いわゆる根拠のない自信を持てってやつですかね
とりあえずドーパミン出しながら考えなさい、
って現代風解釈ができるかな…
英語の名言(5) : ゲーテ
それでは, 今回の名言です
Talents are best nurtured in solitude, but character is best formed in the stormy billows of the world.
では, スラッシュ!
Talents are best nurtured/ in solitude/,
but character is best formed/ in the stormy billows/ of the world.
タテ書きにすると,
Talents are best nurtured 才能は最もよく育まれる
in solitude, 孤独な時に(↑)
but だが
character is best formed 人格は最もよく形成される
in the stormy billows 荒ぶる大波の中で(↑)
of the world. 世間の(↑)
nurture「~を育てる」, solitude「孤独」
stormy「嵐のような」, billow「大波」です
意味をまとめますと,
才能は孤独のうちに育ち,
人格は世間の荒波の中で最もよく形成される
ちょっと単語レベルが高いですが,
形はシンプルです
talent は、同じ能力でも生まれつきのもので,
gift に近いとされます
She is talented. (彼女は生来の天才だ)
の様にも使われます(giftedでも可)
その生来の才能だからこそ,
ゲーテは個人的に, つまり孤独な時に
最もよく育まれるとしたのでしょう
ちなみに、nature and nurture で,
「生まれ育ち」という意味になります
solitude「孤独」は、いわゆる solo「ソロ」の派生です
こうした talent に対しcharacfer「人格」は
formed 「形成される」と,
人工的気配を感じさせることば使いが興味深いです
それはどこで為されかというと
storm の吹く billow 「大波」の中で
しかも,
人と人との間すなわち the world 「世間」で, です
world は「世界」以外に「世間」「世の中」という訳も
文脈次第で可能です
例えば go into the world で「世の中に出る」です
美はバランスである
才能と人格
内的と外的
個人的と社会的
各文脈における
わたしたちのアイデンティティの核と言える二項を,
ゲーテは端的な比喩も交じえ表現しています
質と量
というイメージを各々に当てがってみるのも
一興かも知れません
確かに,
才能と人格は直接の因果関係はないのかもしれません
知恵と慈悲を兼ね備えた人物など
めったにお会いできるわけではないでしょう
ゲーテはこうした二項対立を端的に指摘した上で
両者のバランスを取るべきだ
とする文体を確立しています
美はバランスである
という言葉を聞いたことがあります
綱渡り師が綱を渡るように
弓の弦が張りすぎでも緩みすぎるでもなくするように
味付けが濃すぎるでも薄すぎでもなくするように
美を発見するのは
バランスをキーワードにしておけば
意外と簡単なことなのかもしれません
では,このへんで