Jan.31.2018
アルベルト・アインシュタインは1879年,
ドイツ生まれのユダヤ人物理学者です
1905年には特殊相対性理論，
1915年にはさらに一般相対性理論を発表し，
それまで時空に歪みはないと
絶対視していましたニュートン物理学を
根底から覆しました
その後，
光電効果の法則の発見などにより，
相対性理論は現在では，
ケータイのGPS機能で応用されています
また卓抜なユーモアセンスを持っていたことでも
知られています
彼は趣味でヴァイオリンを弾いていました
ある時その演奏を聞いた人が，
音程もリズムもあまりにもずれていることを
恐る恐る指摘しましたら,
「あ, 私の時間は歪んでますので」
と返したとのことです
本日は，このアインシュタインの
独自の「相対的」視点が垣間見られる名言を
いくつかご紹介したいと思います
まずは，教育論からです
The only thing that interferes with my learning
is my education.
私の学習を妨げた唯一のものは
私が受けた教育である
アインシュタインは6歳位まで
失語症気味だったと言われます
学校では数学はよくできたそうですが,
それ以外の教科にはほぼ興味がわかず，
勉強しなかったようです
自身を学問へと誘ったもの,
それはひとえに好奇心だと語っています
I have no special talent.
I am only passionately curious.
私には特別な才能などありません
ただ情熱的なまでに好奇心が強いだけです
一般的なユダヤ人家庭は,
ユダヤ教の注釈書「タルムード」を徹底的に
子どもに暗記させます
そして成人を迎えた時に,
本人がその「タルムード」にちなんだ
独自のお話を作って披露する，
という慣習があります
ユダヤ人のあの，どんな国にでも適応し，
その国の中で重要なポストに立てる思考の柔軟性は，
この教育方法にあるとさえ言われます
実際, アインシュタインも
ユダヤ教の教えがなければ
相対性理論は思いつかなかったと述べています
かつてユダヤの王様が,
エジプトに全て占領されてしまったときに,
他の何を奪っても構わないから,
学校だけは残してくれと懇願したといいます
それほどユダヤ人は教育熱心です
アインシュタインは「学び」について
次のように述べています
The more I learn,
the more I realize I don’t know.
The more I realize I don’t know,
the more I want to learn.
学べば学ぶほど，
自分が知らないことが分かる
自分が知らないと分かれば分かるほど，
より学びたくなる
知的謙虚さとはまさしくこのことでしょう
山は登れば登るほど,
視界が開けて知らないことばかり増えていく
アインシュタインにとっては
「わかること」ではなく,
「わからないこと」こそが,
学問する唯一のモチベーションだったのです
「わからないこと」を子どもに
純粋に賞賛してあげられる教育こそが,
アインシュタインのような
偉人を産むことにつながる可能性がある
と言えるでしょう
続きまして，
アインシュタインの倫理観がうかがえる名言です
Never do anything against conscience
even if the state demands it.
たとえ国家が要求しても
良心に反することを絶対にしてはいけない
広島の原爆投下後に,
自身の相対性理論が応用されたことを知り,
アインシュタインは酷く落ち込んだと言います
湯川秀樹博士も署名した，超一流の科学者11人による
核兵器廃絶と科学技術の平和利用を訴えた宣言です
亡くなって3ヶ月後に発表されたこともあり，
アインシュタインの遺言状とさえ言われます
Only two things are infinite,
the universe and human stupidity
and I’m not sure about the former.
無限なものは二つあります
宇宙と人間です
前者については確信できませんが
アインシュタインにとって,
宇宙は理解可能であっても,
人間の愚かさは理解不可能だと言う意味です
その愚かさとは，具体的には…
Few are those who see with their own eyes
and feel with their own hearts.
自分自身の目で見，
自分自身の心で感じる人はとても少ない
神の存在を否定はしませんでした
むしろ宗教と科学の共存について
積極的な発言もいくつもしています
Before God we are all equally wise
– and equally foolish.
神の前において我々は平等に賢く，
平等に愚かである
あらゆる人が
彼のようになれるポテンシャルがあると
励ましてくれていたのでしょうか…
その上で，
Science without religion is lame,
religion without science is blind.
宗教なき科学は不自由であり，
科学なき宗教は盲目である
まさにこのフレーズこそ,
宗教から科学, そして科学から宗教を見るという
「相対的思考」が表れている至言です
さらにそこに芸術も加わります
All religions, arts and sciences
are branches of the same tree.
すべての宗教，芸術，科学は，
同じ一つの木の枝である
アインシュタインには人類の文明という巨木が
俯瞰できていたのでしょう
それでは，このへんで
