tsuputon's blog

英語の名言をベースに, 哲学から医学・薬学に至る雑学を, ゆるまじめにご紹介していきます

トラウマに支配されない勇気 : アドラー心理学に想うこと

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PlCASSO :  The Lance

                    Oct.9.2017

こんにちは

 

昨日, 上野で 2つの美術館を巡ったせいか

えんえんと画家について考えたり話し合ったりする夢を

見ました

特にサルバドール・ダリピカソに門前払いされ

果てしないショックを受けたという

エピソ一ドがありますが, その場に小生が居合わせ

2人に気付かれないまま, じっとそのやり取りを

聞いていたシーンが印象に残っています

 

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ダリにとってこの出来事は

相当なトラウマ(心的外傷)だったようです

元来彼の絵のモチーフはこうしたトラウマだったり

夢や自由連想だったようですが

 

トラウマについて

「トラウマ」という心理学用語を

始めて用いたとされるのは

深層心理学の父ジグムント・フロイトです

彼はヒステリー患者の女性は

幼児期の性的虐待心理的な慯,

つまりトラウマによって引き起こされると考えました

そして

普段は抑圧され無意識に埋もれ忘却されてしまっている

その原因と向き合い, 回復できてはじめて

症状は改善されうると考えました

 

このフロイトのトラウマ理論に真っ向から反対し

共同研究を止めた人物がいました

ルフレッド・アドラーです

 

アドラーは日本ではフロイトユングに比べ

知名度が低かったことは否めませんが

欧米ではその2人に並ぶ現代心理学の3大巨頭の一人

として認知されてきた精神科医です

 

今, 日本でも数年前からアドラー心理学ブームで

『嫌われる勇気』

というベストセラー本を書かれた岸見一郎先生はじめ

かなり多くの書籍が出版されていますが

ここでは小生が気になった点についてだけ

書かせて頂きます

 

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トラウマに支配されない勇気 : アドラー心理学に想うこと

 

以下, 岸見先生の

アドラーをじっくり読む』(中公新書ラクレ)と,

YouTube 等で小生が見聞したことに基づいて

お話ししていきたいと思います

 

過去に辛いことがあり今苦しんでいる

→これを,

過去のトラウマによって, 現在不幸になっている

と解釈するのが, フロイトを始め伝統的な

深層心理学の方法論です

アドラーはこのトラウマというものがあることを

否定しているのではなく,

トラウマに支配される必要は何もない

と考えました

それよりも

各個人に必要なのは

これから来続ける未来に向け

現在の自分がやるべき課題をしっかり見据え

それに向かう勇気だ,

 

端的に言いますと,

フロイトは過去志向,

アドラーは未来志向,

となります

 

アドラー心理学の基本的立場は目的論,

つまり,

未来に向け何をしようとするのか,

から, すべてを考えていく姿勢

です

大切なのは「これから」であって

「これまで」ではない

その「これから」に向かうのには,

たった一つ, 「勇気」が必要だ

 

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むろん,

小生はゆるゆる美学者であり,

心理学は興味の範囲を超えませんが,

アドラー心理学についての本を

読むまでになりましたのが

去る 7月のことで, その際,

西洋心理学でこんなにはっきり

トラウマに依拠しない心理学があるなんて,

と, 驚きを隠せなかった次第です

 

この心理学については賛否両論が多々ありますが

私の旧友でプロの心理学者が, うちに来た時,

「心理学者の数だけ心理学があるんだよ一」

と, ワインに顔を赤らめつつぼやいていたのを

思い出します

ちなみに, この友人のその後の「友だち少ないんだよ」

というコメントもスル-しつつ,

あ~,どの業界にもそういうことがあるんだなあ

と, ぼんやり思ったものです

 

勇気ねえ…

 

ここまで書いておきながら

あらためて, 勇気って何だっけ,

と思ってきた小生を

お許し下さい

 

それでは,このへんで

ごきげんよう!

 

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