tsuputon's blog

英語の名言をベースに, 哲学から医学・薬学に至る雑学を, ゆるまじめにご紹介していきます

英語で名言を:努力だ。勉強だ。それが天才だ。(野口英世)

f:id:tsuputon7:20180419100404j:plain

 

                                               April.19.2018  

 

 

野口英世は,1876年福島県生まれの

医師・細菌学者です

 

黄熱病と梅毒の研究で世界的に評価されました

ノーベル生理学・医学賞候補にも

三度名前が挙がりました

 

最期はガーナで,黄熱病の研究中に

御自身も罹患してしまい他界されました

 

一歳の時に囲炉裏に落ち,左手に大火傷を負いました

16歳の時,その障害を嘆く作文がきっかけで,

教師と同級生たちが募金を募り,

会津若松で手術を受けて,

左手は不自由ながらも指が使えるようになりました

このことから医師を目指す決心をし,

手術をしてもらったアメリカ帰りの

渡部鼎医師の医院で住み込みの書生となりました

 

上京後,現在の日本医科大学の前身である

済世学舎で学び,21歳で医師免許を取得しました

そして放蕩癖のこともあって,

様々な研究機関に属した後,

渡米し研究が次々に絶賛されていきました

 

本日はこの,怒涛の人生を送られた

野口英男名言のいくつかをご紹介したいと思います

 (英文拙訳) 

 

f:id:tsuputon7:20180419094204j:plain

 

 

まずは,過去と未来についてのコメントです

 

過去を変えることはできないし、

変えようとも思わない。

なぜなら人生で変えることができるのは、

自分と未来だけだからだ。

I can’t change my past,

nor do I want to;

because it is only myself and my future

that I can change in my life.

 

大火傷に始まり紆余曲折があって

独自の道を切り開いた英世は,

過去は振り返らない未来志向の人でした 

 

自分のやりたいことを一所懸命にやり、

それで人を助けることができれば幸せだ。

If I can do what I want to do hard

and help others, I’ll be happy.

 

豪快かつユニークな性格ゆえに,

研究仲間と様々な確執も多々あったようですが,

根本的な医師としての思いは純粋に,

自分の左手を動かせるようにしてもらったことの

恩返しとしての「人助け」だったのです

 

当時済世学舎は大学ではなく予備校でした

そこで苦学した末に,医師免許を取得しました

つまり,大学を出たわけではなかったため,

医師会では様々な偏見も持たれたようです

結局英世が成功したのは,

アメリカに渡った後の海外での評価のためでした

 

こうした苦労人だったからこそ

次のことばが響きます

 

忍耐は苦い。しかし、その実は甘い。

Tolerance is bitter; but the fruits are sweet.

 

f:id:tsuputon7:20180419094308j:plain

 

 

 

続きましては,アドラー心理学のことばではないかと

疑ってしまうコメントです

 

家が貧しくても、体が不自由でも、

決して失望してはいけない。

人の一生の幸も災いも、自分から作るもの。

周りの人間も、

周りの状況も、

自分から作り出した影と知るべきである。

Never despair, even if your home is poor

or your body is challenged.

One’s happiness and curses in life are

what one makes for oneself.

You should know those around you

or your surroundings

are the shadows you’ve made by yourself.

 

すべては「自分から作り出した影」

だから,そのことを嘆いても仕方がない

裏を返せば,これからの未来は自分で作り出せる

だから,切り開いていけばいい

 

まさにアドラーの言う目的論的未来志向そのものです

tsuputon7.hatenablog.com

 

こうした英世の思いは並々ならぬものでした

 

志を得ざれば再び此の地を踏まず。

I’ll never come back here again

provided I can’t achieve my goal.

 

渡米後,日本に帰ってきたのは15年後でした

日本で認めてもらえなかった分,

アメリカで認めてもらう

その一心で研究を続けたとさえ言われます

そのスピリットはあまりにも端的明瞭なものでした

 

一番肝心なのはあきらめないということだ。

どん底だからこそはい上がるんだ。

The most important is never giving up.

Climb up from the very bottom!

 

 そして…

 

失敗したらまた、がんばればいいんだ。

生きている限り何度でも。

それが人間の特権だ。

If you fail, you have only to try hard again,

as long as you are alive, over and over again;

that’s our privilege.

 

何度でも挑戦できること,

それが人間の特権だと

このひたすらな

限界設定をしないポジティブシンキングこそが,

英世に医学史に残る偉業を達成させたのでしょう

 

tsuputon7.hatenablog.com

f:id:tsuputon7:20180419094420j:plain

 

 

英世は国や社会について,次のように述べています

 

国は自分一人の力じゃなかなか変えられねえ。

ましてや過去なんて絶対に変えられねえものだ。

Only by myself can’t I change my nation with ease;

let alone my past, never.

 

すでにスケールは「国」レベルでした

さらに,処世術としては…

 

人は能力だけでは、この世に立つことはできない。

たとえ、立身しても、機械と同様だ。

人は能力と共に徳を持つことが必要である。

We  can’t go into this world only with our abilities;

if we’re promoted, we’re like machines.

We need to have virtues as well as abilities.

 

有徳の士だったからこそ?の名言です

英世はパトロン等からの莫大な支援金を

放蕩で使い果たしてしまっても,

正直にそれを告白したところ,

「仕方ないなあ…」と,

また支援してもらえたこともありました…

 

f:id:tsuputon7:20180419094503j:plain

 

 

とにかく周りの誰とも似ていない

前人未到の地をひたすら自分で歩み,

単独で進み続けた英世だったからこそ,

医学界に革命をもたらし得たのでした

 

私は少しも恐れるところがない。

私はこの世界に、

何事かをなさんがために生まれてきたのだ。

I’m not scared at all.

I was born in this world

in order to do something.

 

このシンプルな気概!

現在「自己啓発」系の書籍では,

「モチベーション」というキーワードがよく見られますが,

ある種英世のこのことばは

その極めつけを表しているかのようです

 

tsuputon7.hatenablog.com

 

さらにその気概は,炎のごとくにもなります

 

ナポレオンは、夜3時間しか眠らなかった。

彼になしえられる努力が、

自分になしえられぬはずがない。

Napoleon slept only for three hours at night.

There is no reason I can’t make the same efforts

as he did.

 

ナポレオンにできたんだから

自分にできないはずはない!

そもそもの発想スケール自体が

常人ものではなかったことがよくうかがえます

 

最後に,「天才」について…

 

努力だ。勉強だ。それが天才だ。

だれよりも、三倍、四倍、五倍、

勉強する者、それが天才だ。

Efforts. Study. That’s a genius.

Those who study three, four, five times

more than anyone else are geniuses.

 

それでは,このへんで

ごきげんよう