tsuputon's blog

英語の名言をベースに, 哲学から医学・薬学に至る雑学を, ゆるまじめにご紹介していきます

英語の名言:幸福は人に振りかけると必ず自分にも 2, 3滴はかかる香水である(エマーソン)

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                                                   Jan.7.2018

 

 

ラルフ・ワルド・エマーソンは1803年,

米国生まれの思想家です

 

プラトンやカントだけでなく,

当時の西洋の思想家としては極めて珍しく

東洋の哲学をも吸収し,

ユニークな哲学を唱えました

その影響力は大きく,ニーチェを始め,

宮沢賢治や北村透谷,福沢諭吉など

世界中のの思想家や詩人,文学者に及んでいます

 

ときには,

現代型自己啓発の父とえ称されることもあります

シンプルで端的なコメントは,

触れるだけで,はっとさせられることが

多いものばかりです

 

本日はこのエマーソンの名言をいくつか

ご紹介したいと思います

 

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エマーソン

 

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まずは大前提としてのアイデンティティー論から…

 

    To be yourself

    in a world

    that is constantly trying

    to make you something else

    is the greatest accomplishment.

    絶えずあなたを何者かに

    変えようとする

    世界の中で,

    自分のままでいることは

    もっとも素晴らしい偉業である

 

世間というものは,

悪気のあるなしにかかわらず,

私たちをずっと変えようとしてきます

まるで川の流れのように

気づけば私たちは流されてしまいます

 

ですが,その川の流れをよく見て,

自らの意志で小舟を作り,あるいは泳力をつけて

受動的に流されないようにすれば,

好きな岸にたどり着いたり,

時には逆流さえできたりします

 

ただでさえその川の流れの速い,

ますます加速していったであろう

資本主義社会の黎明期にあって,

エマーソンは

Be yourself を唱えた

さきがけの現代西洋思想家だと思われます

 

東洋思想,特に禅などの影響も推測されるコメントです

 

 

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続きまして,

人間論と思われますフレーズです

 

    What is a weed?

    A plant whose virtues have not

    yet been discovered.

    雑草とは何か?

    その美点が

    まだ発見されていない植物である

 

小さいことができないなら,

大きいこともできないと,

小生の少年時代の師はことあるごとに

忠告してくださいました

 

小さいことを見つめる視線

その視線を持とうとするこそが

自らの能力を高める原点となるわけです

 

道端の,誰からも無視される雑草も

ただそれまで注目されてなかったというだけで,

誰かがその小さい対象を

じっとよくよく見つめてくれれば,

その中から自然と美点が浮かび上がってくる

 

エマーソンの

ミクロコスモスの中にマクロコスモスを見出そうとする,

愛のある視点を感じます

 

彼は対人関係について次のように述べています

 

    Don’t waste yourself in rejection,

    nor bark against the bad,

    but chant the beauty of the good.

    拒絶するのに自分を浪費したり,

    悪い人々に吠え返したりするのではなく,

    善い人々の美徳を称えよう

 

拒絶と反論…

とかく無意識にしてしまいやすいことですが,

その時間があれば,

つまり悪い人々と関わる時間があるならば,

善い人々の美徳を称える目線を持とう

 

とても美しい心がけです

マスコミ報道の漂白剤に使えるのではないでしょうか…

 

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さらに具体的に,

人と面した時の心構えとしまして…

 

    Every man I meet is

    in some way my superior.

    私が出会う人はみんな

    どこか私より優れているところがある

 

自分が人よりも優れていると考える,

優等コンプレックスにさいなまれている以上は,

目の前の相手の優れているところなど

見えませんでしょうし,

見ようとさえしないことでしょう

ですが,敵の美点をほめたたえるくらいの

心の余裕が持てたなら,

それは計り知れずポジティブな力を有することでしょう

 

そのためにエマーソンは,人を信頼することの重要性を

次のように述べていますいます

 

  Trust men

  and they will be true to you;

  treat them greatly

  and they will show themselves great.

  人を信頼しなさい,

  そうすれば彼らはあなたに忠実になるものだ

  人を素晴らしくもてなしなさい,

  そうすれば彼らは素晴らしい所を見せてくれるものだ

 

人を信頼し,素晴らしくもてなす

そうすると,

その人たちは自らのすばらしいところ見せてくれる

これは確かに, その逆を考えてみると明白なことで,

人を疑い,悪くあしらえば,

その人たちは殻に閉じこもり,

決して自分自身を開いてくれることなどないでしょう

 

と言いますのも…

 

    We boil at different degrees.

    我々はそれぞれ違う温度で沸騰する

 

からです

 

自分とは価値観が違うというだけで,

その人を非難したり拒絶しているようでは

建設的な対人関係等はできるはずがありません

それぞれに違う価値観があり,

誰しも育ってきた環境が違うから,

好き嫌いは否めない

それを大前提に人と接せられれば

表層的な摩擦はほぼ自然に消えていくものでしょう

 

実践できれば言うことなしです…

 

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エマーソンのこうしたことばは,

理想論と言われればそれまでかもしれません

 

ですが,   理想を掲げずして

日常生活を送ることは誰しも不可能です

 

大小様々なレベルで,

未来が自分にとって良かれ,

周りの人たちにとって良かれ,

という至って健全な想い,

それが理想なわけですから

 

小生は,愚直だと言われようと,

端的なこういう理想論に「偽善的」と

単純なレッテルを貼るのは大反対です

 

理想は現実の反対ではない,

現実からの未来への積極的見通しという価値を持つ

と確信するからです

 

大抵そうしたりレッテルを貼る「インテリ」な方々には,

それに代わりうる代案はほぼないですから…

(あ,これは拒絶ではなく,批判のつもりです

  善い人の美徳を称えてはいませんが…)

 

 

ということで,最後に,素晴らしい理想論を…

 

    Write it on your heart

    that every day is the best day in the year.

    毎日が一年で一番いい日だと

    心に刻むように

 

さらに,

 

    Happiness is a perfume

    you cannot pour on others

    without getting a few drops on yourself.

    幸福は

    人に振りかけると必ず

    自分にも 2, 3滴はかかる香水である

 

それでは,このへんで

ごきげんよう

 

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