Dec.20.2018
マハ一トマ一・ ガンジーは，
たった1人で抗議運動を始め,
大英帝国からのインド独立を
実現した人物です
あのダライラマ14世が
最も尊敬する人として挙げ，
何度となく言及するのが
マハートマー・ガンジーです
とりわけ，
「非暴力・不服従」の精神は，
ダライラマ 14世が身をもって現在も
闘魂伝承されておられる心的態度です
その言説のシンプルなのに含蓄が深く，
一度耳にすると何度となく，
不意に思い返してしまう
「言霊」とでも呼ぶべきパワーには，
毎回新鮮なエネルギーを与えられます
小生はこれまで四回，
ガンジーの名言をまとめて取り上げさせて
いただきました
本日はその中で触れられませんでした，
名言のいくつかをご紹介したいと思います
（和文拙訳）
まずは，小生には単刀直入に響きました
人についてのコメントからです
The good man is
the friend of all living things.
善なる人は
あらゆる生きものの友である
ガンジーは，
生きものの扱い方を見れば，
その国がどんな国かが分かる，
とも語っていました
自他共に認める
楽観主義者であったガンジーは，
善は万物の存在理由だと
考えていたようです
ですから…
Action expresses priorities.
行動でその人の優先事項は分かる
ことばではなく行動こそが，
人を判断すべき基準である
幼少期から幾度となく見聞きしてきた
メッセージですが，
超情報化社会の今だからこそ，
ますます「行動という情報」を
抽出できる力が必須だと思われます
ガンジーの楽観主義は
桁外れのポテンシャルを持っていました
Because I have restriction,
I can fly.
Because there is grief,
I can soar highly.
Because there is adversity,
I can run.
Because there is a tear,
I advance it to the front.
束縛があるから，
私は飛べる
悲しみがあるから，
私は高く舞い上がれる
逆境があるから，
私は走れる
涙があるから，
私は進める
いかに絶望的な状況であれ，
一縷の望みを繋ぎ紡いでいくことで
インド独立を成し得た精神のコアは，
この「逆説の論理」にあった
と言っても過言ではないでしょう
あの究極の至言を言わしめた
土台とも言いますか…
ガンジーの口から出ますと，
これ以上の説得力は無いと
思われますフレーズがありました
A good thing moves
with the rate of the snail.
善いことは
カタツムリの速度で動く
心身共に，
速度→効率→結果至上主義的な
現代世界はどう映ることでしょうか…
AI化社会の中にこそ，
カタツムリを見つける必要が
あるのではないでしょうか
ガンジーは貧困について，
次のようなシンプルなコメントを
残しています
Poverty is the worst form of violence.
貧困は暴力の最悪な形態だ
未だにこのフレーズにとてつもなく
新鮮な響きを感じるのは，
小生だけでしょうか…
「貧困」の問題を単純に「富裕」の反対
だとだけ捉え，
その「対岸」から「貧困」を考え，
論じてしまっている自分に気づき，
愕然といたします
世界史を少し紐解けば，
現在の第三世界の貧困を作り出したのは
紛れもなく，帝国主義時代に始まり，
現代に至るまでの，
日本も含む現代資本主義諸国家である，
ということは，一目瞭然です
西側諸国は，第三世界に
「暴力」を行使し続けているのです
とは言え，その当の西側諸国でさえ，
自国内の貧富の差はもとより，
本当の豊かさを享受している国は
一体何カ国あることでしょうか…
そもそもガンジーにとって，
「真の富」はお金ではありませんでした
It is health that is real wealth
and not pieces of gold and silver.
健康こそ真の富であり，
金貨や銀貨ではない
かつて，百歳を超えても
現役医師をなさった日野原重明氏が，
現代日本の老若男女に，いかに
「心のホームレス」
の方が多いかと，
嘆いておられるコラムがありました
心身ともに健康であることに勝る富は
確かに，ありえません
改めて言うまでもなく，
そうした「真の富」に至るための
方法論でもありました
個人レベルから国家レベルに至るまで，
透徹した「人間心理」を見抜く目から，
ガンジーは次のようなコメントも
残していました
Unhappiness of the world
and 3/4 of misunderstanding
enter enemy’s heart and
if their viewpoint is understood,
would melt away.
世界の不幸や誤解の四分の三は，
敵の懐に入りこむものなので，
彼らの立場を理解したら
消え去ることだろう
互いに互いの立場を理解して初めて，
世界の不幸も誤解も消散していく…
ですが，
ガンジーの究極の楽観主義は，
現実を無視するどころか，
現実を本質的に突き止める
怜悧な刃物の如き
視点に基づくものでした
現代世界の各国元首に，
今一度ガンジーの
次の端的明瞭な寸言を，
虚心坦懐に受け止め，
小さくてもいいですからまず
「行動」に移してもらえたら，
と願うばかりです
Hands can’t be shaken
with a clenched fist.
握り拳とは握手できない
それでは，このへんで
