tsuputon's blog

英語の名言をベースに, 哲学から医学・薬学に至る雑学を, ゆるまじめにご紹介していきます

英語で名言を:結局、人を動かすのは「情熱」以外にない(林 要)

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                                                        March.8.2018

 

 

林要(はやし・かなめ)氏は,

1973年愛知県生まれの企業経営者です

あのソフトバンクの人型ロボット,

ペッパーくんの開発リーダーだった方です

 

大学院卒業後,トヨタに入社して,

同社初のスーパーカー「レクサスLFA」,

トヨタF1の開発に携わられました

 

その後,  孫正義氏の後継者育成機関,

ソフトバンクアカデミアに参加し,

同氏の「人と心を通わせる人型ロボット普及させる」

という信念に共感,  

2015年に Pepper を一般発売するに至られました

 

同年11月には独立し,

ロボットベンチャーグループ

「GROOVE X」を設立,2019年発売を目指して

新世代の家庭向けロボット開発をされておられます

 

林氏の発想の原点に「ゼロイチ」という

考え方があります

会社のなかでゼロイチを実現する,

つまり「0」から「1」を生み出すことです

 

小生はNHKの番組で,

林氏と高野山の仏師・松本明慶氏との対談番組で

初めて林氏の映像を拝見しました

 

かなりスローテンポで優しい語り口ながら,

実に鋭い気づきや指摘をポンポンなさっておられ,

視聴3分後にはただ者ではないと直感しました

 

本日はこの,林要氏の名言のいくつかを

ご紹介したいと思います

(英文拙訳)

 

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 ペッパーくんと林氏

 

 

まずは,  親子関係上で深刻な問題と

なっていることに関してです

 

SNSやゲームそのものが悪いのではなくて、

その手前に

「それに依存せざる得なくなる理由はなにか?」

という根源的な問いを見つめる必要がある。

するとその一つに「孤独」という

極めてプリミティブな感情が見えてくるわけです。

It is not SNS or games themselves

that the are to blame; behind it,

we have to watch a radical question,

“What is the reason we have to depend on them?”

Then, we can see a quite primitive emotion

of solitude. 

 

もはや小学生でもTwitter等を自由に見られるこの時代,

リアルな現場では様々な親子の葛藤があるはずです

 

ですが,実はその背景に,

子どもたちの「孤独」感があるとする,

林氏の実に鋭い指摘です

 

そこに対処しない限りは「やめなさい」と言ったって

どうしようもないわけです。

ペットもそうですが、そのような論理的には

生き残るのに不要なものが

大きな産業になっているのは、

そこに本能の要求があるからなんですよね。

僕らがそれらを必要とする

仕組みが見えてくるわけです。

It’s meaningless if you say, “Stop it!”,

before you deal with it;

as a pet, the reason

why such a logicality unnecessary things

for us to survive can make a big industry 

is our instinctive demand.

And we can recognize the mechanism

of our demand of them.

 

私たちの生存に不必要なものが

巨大産業になっている時代です

ゲームをしなくても生きては行かれます

Twitterでつぶやかなくても命は落としません

 

ですが,  それらを巡り数兆円規模のお金が

社会で循環している

その理由は,私たちの本能的欲求があるからだと,

林氏は仰ります

確かに,  論理を超えた強い欲求=感情がなければ,

やってないことが

日常生活でどれほどあることでしょう

 

自分の言動全てを説明しきれる人など

地球上にほぼ皆無と思われます

できるといばる見栄っ張りの大人は

相当数いらっしゃいますが… 

 

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テクノロジーに依存する背景にある私たちの孤独感,

その源泉は実は「生き残り戦略」でもあると,

林氏は仰います

 

僕らのDNAは生き残り戦略として

積極的に「寂しさ」を培ってきたわけです。

体がどんなに屈強でも、

寂しさを十分に持っていない個体は、

たとえ肉を独り占めにして生き延びる事ができても、

子孫を継続的には残せず淘汰されてしまいます。

Our DNAs have nurtured loneliness actively

as a strategy for survival;  

however strong bodies individuals have,

if they don’t have enough loneliness,

no matter how much meat they have to themselves

and can survive,

they will not be able to make their children

constantly and be selected. 

 

寂しいから,  人と関わる

寂しいから,  友人を作る

寂しいから,  パートナーを求める

そして寂しいから,  結果,子孫を生む

 

こうした寂しさがない個体は,

自分一人の生存だけはできたとしても,

子孫を残すことができず,そのDNAは

自然淘汰されてきたと林氏は仰るのです

 

つまり、私たちは子孫を残すために

寂しさを感じるようにできているわけですし、

互恵的にもならざるを得なかったわけです。

私達は利己的な遺伝子を持つが故に寂しいし、

互恵的性質を持つわけですね。

In short, we are made to feel loneliness

to leave our own children,

and have to be interdependent.

We feel loneliness, because we have selfish genes

and have interdependent nature.

 

ギブ・アンド・テイクではなく,

ギブ・アンド・ギブの原理が,

互いに与え合う一方の気質が,

根源的に「寂しさ」から生まれていたのです…

 

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ペッパーくんが高齢者の方の話し相手になると,

よく話題になっています

ある高齢者の方に,林氏が

「ペッパーの何を良くして欲しいですか?」

と尋ねたところ,

「手を温かくしてほしい」と言われたそうです

 

そのプリミティブな感覚に,  林氏は

クラウドとの連携」とか「AIの進化」などとは

全く異質の「実体がある」ことに対する

期待感を感じる,と仰っています

そうした声も考慮しつつ,

次世代ロボットの開発に乗り出されました

 

経験を蓄積しているうちに、

「実体を持つロボットの強み」として、

ペッパーとは正反対のアプローチを

考えるようになりました。

Accumulating experiences,

I’ve got to think the opposite approach to Pepper,

as ‘the strength of a robot with entity’.

 

林氏はこの「実体」ということばを,

身体だけでなく精神的な次元でも

使っておられるようです

 

私は私でもう少し

プリミティブなところも掘ってみたいと思い、

ロボットをむしろ人に近づけるのではなく

ハムスターに近づけることで

人を癒やすことを追求したい、

とGROOVE Xを立ち上げました。

I myself would like to dig the primitive area,

not make a robot next to us but to a hamster,

and try to heal people;

so I established GROOVE X.

 

ハムスターに近い癒し系ロボット…

 

林氏が命名されました

GROOVE X社が開発中のロボットは,

LOVOT(ラボット)と言います

 

LOVE+ROBOT=LOVOT

 

だそうです

詳細は明らかにされていませんが,

リリース後には他の追随を許さないくらい

「先」を行くものにするおつもりだとか…

 

将来的には,火星有人飛行に初めて行く宇宙飛行士の

精神的ケアまで十分にできるような,

途方もない能力を持つロボットを

目指しておられるそうです

 

ペッパーを一般発売したその年に

ソフトバンクを退社し,

「ゼロイチ」の精神で,

無からこの企業を立ち上げられました

 

僕は「誰でも、リーダーになれる」

と考えています。

なぜなら、リーダーシップの根源は

「情熱」だからです。

As I see it,

“Anybody can be leader.”

This is because

the origin of readership is ‘passion’. 

 

なんと,  最先端ロボットを製作中の方が

口にされるキーワードが「情熱」です!

 

優れた「職人」には、必ず「情熱」があります。

その「情熱」を信じて努力をすれば、

きっと誰でもリーダーシップを発揮して、

自分が思い描くゼロイチを実現することができる

と思うのです。

Every great ‘craftsman’ has ‘passion’.

Believing in the ‘passion’ and making efforts,

surely, anybody can have leadership

and make their own ZEROICHI realized,

I think.

 

小澤征爾氏も,

 

指揮者なんて,  情熱をオーケストラに伝えられれば

それでいいんですよ,  格好とか理屈なんて

どうだっていいんですよ, ねっ

 

と,先日NHKの朝の生放送番組で仰ってました…

 

そして,

世界が注目する林氏の結論は

究極的にシンプルでした

 

   結局、人を動かすのは

  「情熱」以外にない

   In the end, there is nothing but ‘passion’

   that makes people move. 

 

それでは,このへんで

ごきげんよう! 

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