tsuputon's blog

英語の名言をベースに, 哲学から医学・薬学に至る雑学を, ゆるまじめにご紹介していきます

英語の名言:自分を元気づける一番良い方法は誰か他の人を元気づけようとすることだ(マーク・トゥエイン)

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                                                                  Dec.19.2017

 

 

 マーク・トウェインは,『トム・ソーヤーの冒険』,

ハックルベリー・フィンの冒険』 などの作品で

知られている米国の小説家です

彼はその抜群なユーモアセンスでも有名です

 

アメリカの小説家の父と呼ばれていまして,

すべての現代アメリカの小説家は

彼の小説の二番煎じであるとさえ言われます

 

1910年にハレー彗星が75年ぶりに地球に到来しました

マーク・トウェインの生まれた年にも

ハレー彗星が観測されていて,

彼が

自分はハレー彗星とともに地球にやってきたので,

ハレー彗星と共に去っていくだろう

と周囲に吹聴していたそうですが,

ハレー彗星が現れた日に亡くなったとのことです…

 

本日はこのマーク・トウェインの名言を

いくつかご紹介したいと思います

 

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まずはこのあまりにも有名なフレーズから… 

 

    Truth is stranger than fiction,

    but it is because

    Fiction is obliged to stick to possibilities;

    Truth isn’t.

    真実は小説より奇なり

    それはなぜかというと,

    小説はありえることに固執せざるを得ないが,

    真実はそうではないからだ

 

まさにその通りです!

これはトウェインのことばだったのです

 

生きているといろんなことが起こります…

小説というものはたかだか,

ある個人が事実と想像力とを駆使して作り上げた

ことばの群れですが,

真実はことばにならない様々な要因が複雑に絡んだ,

不可測の事態に満ち満ちています

 

アメリカの神話学者ジョセフ・キャンベルは,

どんな新しく作られるドラマのストーリーでも,

一読すれば,  それとそっくりの神話を

すぐに当てられたそうです

彼は世界中の古今東西の神話を,

20,000作以上記憶していたそうです… 

学生時代にホームレス同然の極貧生活をしつつも,

神話の本だけは毎日読み漁ったのだとか…

あの『スター・ウォーズ』のキャラクター作成を

ジョージ・ルーカスに依頼され,初期のものを

ほとんど手がけ,存命中制作を手伝い続けていたのが,

キャンベルです

 

小説はありえるものに固執せざるを得ない,

そうでなければ,つまり,

どこかありえるかもしれないと思えるものでなければ,

小説の醍醐味も面白みも

なくなってしまうことでしょう

喜劇であれ悲劇であれ,

小説はエンターテインメントですから

 

そう考えますと,

真実はエンターテインメントではありません

人智を超えた何かが作用している,

としか思われない事態も多々あります

大震災然り,   IT革命然り,  国際関係然り… 

今後の世界の展開も1年後どうなってるかも,

ほぼほぼ,  不可測としか表現できない気がします

 

人が作るもののリミットは何かあって,

真実には決して叶わないと,

トウェインは強く思っていたのでしょう

 

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続きまして,  勇気を定義しているものです

 

    Courage is resistance to fear,

    mastery of fear –

    not absence of fear.

    勇気とは恐怖に抵抗することであり,

    恐怖を克服することであって,

    恐怖を抱かないことではない

 

このフレーズを見ましたときに,

昨日取り上げましたスピノザ

 

   平和とは戦争がないことではない

 

ということばと相似形だと思いました

 

どうも本屋さんに行くと,タイトル名で

「勇気」がバーゲン状態な気がしてしまいます

 

勇気とは恐怖がないことではなく,

恐怖に対抗しそれを克服することであるともしますと,

何でも大胆にやってしまえばいい,

などと勇気を安直に解釈しがちですが,

恐怖は恐怖として見据えた上で対峙する気構えが

本当の勇気であるというメッセージでしょう

 

勇気が無謀にならないためには,

乗り越えられるべき壁を正しく見当て,

正しく恐怖する必要があります

正しくない恐怖は悪循環を生み,

恐怖を恐怖するようになってしまいます

勇気は第一段階の恐怖の対処戦略です

端的に,

やってしまえばなんてことなかった,

と思えれば,

真の勇気を持って乗り越えられたと言えるのでしょう

 

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では,ちょっとどきっとする比喩混じりのものを… 

 

    A lie can travel half way around the world

    while the truth is putting on its shoes.

    真実が靴を履いている間に

    嘘は世界を半周する

 

鋭い!

嘘って,なんて速いんでしょう!

そして真実って,なんて遅いんでしょう… 

この,  真実が靴を履くと言う洒脱な比喩に,

一目でノックアウトされました

 

また,「優しさ」についても繊細な一言が…

 

    Kindness is a language

    which the deaf can hear

    and the blind can see.

    優しさとは

    耳の聞こえない人が聞くことができ

    目の見えない人が見られることばだ

 

善は微に入り細をうがたなければならない,

と言いますが,

真の「優しさ」とは,

積極的な美徳というよりも消極的な美徳であり,

自分の事は後回しにすると言う意味合いで,

自己犠牲の末にそっと差し出される一輪の花のような,

繊細を極めた,かそけきこころのことばのことだと

トウェインは呟いたのでしょう

 

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流石,現代アメリカ小説の父だけあって,

トウェインのことばにはシンプルに

語気が濃縮されているように思えます

 

    The best way to cheer yourself up

    is to try to cheer somebody else up.

    自分を元気づける一番良い方法は

    誰か他の人を元気づけようとすることだ

 

元気は自家発電できません 

「気」はめぐりめぐるものであって,

自分だけのものにしてしまうと「内気」なります

「外気」に触れるべく,

他の人に「気」を配れば「元気」になるわけです

意志を持って他の人を元気づけようとすること,

その積極性こそが,

まずは自分の中からエネルギーを呼び起こして,

自分以外の存在とのそのエネルギー循環の端緒となり,

周り回って自己へ回帰してくる

 

これは物理学です

偽善的なややこしい魂胆にまみれた

道徳でもなんでもなく,

誰でも分かる議論の余地のない科学だと思います

 

 

それでは,  このへんで

ごきげんよう

 

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