tsuputon's blog

英語の名言をベースに, 哲学から医学・薬学に至る雑学を, ゆるまじめにご紹介していきます

英語の名言:もし今日が私の人生の最後の日なら, まさしく今日しようとしていたことをしたいだろうか(スティーブ・ジョブズ)

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 Joan Miró: Dutch Interior (III)

                                                         Dec.9.2017

 

 

スティーブ・ジョブズの名言を見ていますと,

一貫して内面を見続けていた人なんだなぁと,

改めて感じさせられます

 

例えば,  個人的に至言だと思っております

次のフレーズからも,

ジョブズの強烈に内省的な性格がかかります

 

If today were the last day of my life,

would I want to do what I am about to do today?

もし今日が私の人生の最後の日なら,

まさしく今日しようとしていたことをしたいだろうか

 

内面を見つめるというのは

他者と比べた上での自分でも,

他人の評価を受けた後での自分というのでもなく,

それこそ子どもの頃から私たちみんなが持っていて,

いえ,持ってきたはずの心で 

シンプルに自分の内面に耳を傾け

周りに流されない時の,

あの自分と語り合うことです

 

ピカソ然り,ゲーテ然り,

自分の内なる声に向き合う重要性を

偉人たちは延々と説き続けているようにも思えます

 

    He can who thinks he can,

    and he can’t who thinks he can’t.

    This is an inexorable, indisputable law.

                                                       Pablo Picasso
    できると思う人はできる,

    そしてできないと思う人はできない

    これはゆるぎない,議論の余地のない法則である

 

    Just trust yourself,

    then you will know how to live.

                                   Johann Wolfgang von Goethe 


    ただ自分自身を信じなさい,

    そうすれば生きるべき道が分かるだろう

 

 

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 Joan Miró: Women, Birds, and a Star

 

ただし,  勘違いしてはいけないと思われますことは,

他人の意見は一切聞くな,

という意味では全くないということです

 

他人の意見には聞き耳を立ててあくまで参考にしつつ,

それでも自分の内なる声を最重要視して,

その声に従って己を貫き生きていく

 

そのためには自分の全存在をかけて

内なる声を守り,

内なる声を信じ,

内なる声を実践する

 

これは安直な意味での「自我」ではありません

「自分的には」とか言うレベルの

「自分」でもありません

それでは他者との比較が入ります

 

社会的文脈での「私」というものとは一切関係のない,

自分が一人きりになって冷静になると語りかけてくる,

あの心の内側にある声,

誰しもが心底で保ち続けているはずのものです

 

ところが,私たちは社会生活をしていく中で,

他者の声を聞くだけでなく,

他者の意見に依存しすぎてしまい

気付けば自分が乗っ取られている状態にまで

なってしまうことが往々にしてにあります

 

 

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 Joan Miró: Untitled

 

国家然り,企業然り,友人関係然り,

人を利用しようとする人間は古今東西

あとをたちません

 

そうした中で大切なこと,それは,なにを置いても,

いかにシンプルであるか

ということに尽きると思います

 

学校教育や会社の理念などなどにより,

私たちのアイデンティティーは

ある特定の方向へと曲げられがちです

ですが,その大半は他者の誰かの意図であったり,

時の為政者の思うツボであったりします

 

つまり,ミヒャエル・エンデが『モモ』で描写した

灰色の服を着た「時間泥棒」,

魂の抜けた身体を作るための

プログラミングの果てでしかありません

 

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 Joan Miró: Untitled

 

 

自分の人生を自分で生きる権利は万人の生得権です

 

自分の人生を他の人任せにする

脱魂状態で全てに妥協し,恐怖に去勢され,

自ら好んで不自由な方向へと邁進する

これほど悲惨なことはないはずなのに,

世の中のなんと多くの方々が

そのベクトルに向かっておられることか!

 

そこに多少の疑問は感じても

それに対抗し,それを見破り,

それを突破していこうとする

気力もエネルギーもない人が,残念ながら

老若男女問わず年々増えていく気もします

 

かく言う小生も

気がつけばそのベクトルに流されて

むしろそれが快感ですらある,

と感じた時期もありました

没個性の快楽…

せいぜい,時折気づいたことに甘噛みをする程度の

体制内異端児…

結局何かに守られているので

責任を取らないでいいので楽です,

表面的には

 

外の声の自由は内なる声の不自由です

 

しかしそれは自分の内なる声が全く聞こえなく

いえ,聞こえたとしても

それを無視し抑圧し消し去ってしまう

そんなゾンビのような生き方をしていた時だったから,

自己人格否定しか他に術がなかったのです

 

スティーブ・ジョブズの次の言葉に

改めてシンプルに自分と向き合うことの重要性を

痛感させられました

 

    Don’t let the noise of others’ opinions

    drown out your own inner voice.

    And most important,

    have the courage

    to follow your heart and intuition.

    They somehow already know

    what you truly want to become.

    Everything else is secondary.

 

    他人の意見という雑音に

    自分の内なる声を溺れ果てさせてはいけない

    そして最も重要なことだが,

    自分の心と直感に従う勇気を持ちなさい

    それらはどういうわけかすでに知っている

    あなたが本当になりたいものを

    それ以外のことはすべて二番煎じだ

 

そして今日の小生の内なる声は,

せっかくの気持ちいい週末なんだから,ゆるゆると

スパークリングワインを飲みなさいという煩悩です

 

それでは,このへんで

ごきげんよう

 

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Joan Miró: "Aidez l'Espagne"