tsuputon's blog

英語の名言をベースに, 哲学から医学・薬学に至る雑学を, ゆるまじめにご紹介していきます

おかしすぎて笑えない友人M

f:id:tsuputon7:20171011105204j:plain

ヴィンセント・ヴァン・ゴッホ『種まく人』

 

                   Oct.11.2017.

 

Mは小生にとって

くされ縁の親友としか言えない人です

 2 ・3年に1回位しか会うことありません

でも, Mと以上に濃厚な話しを短時間にできる人は

いません

なのに何故そんなに会わないのかと言うと

Mは世界中を放浪し

いい年をして未だ定職にはつかず

世界中に彼女を作っては別の国に行くという

ジゴロを地でいくようなことを本当にやってるからです

 

今日から何回か,

Mから聞いた話し

(ほんとかどうかわかりませんが

とりあえず小生は面白いので信じています)を

いくつかご紹介いたしたいと思います

 

くしくも, 今日がMの誕生日なので

こうして記事にしようと思い立った次第です

冒頭のゴッホは, 小生はそうでもないのですが

Mが大好きな画家なので気持ちだけの

バースデープレゼントのつもりです

M, 誕生日, おめでと!

 

f:id:tsuputon7:20171011094104j:plain

 

Make Your Wish…

 

 

 

Mは小生が大学1・2年生のクラスの同級生でした

当時まだ大阪弁が残っていた小生を面白がってくれて

 

ねえ, 何か面白いこと言ってみてよ

 

といって, やや人見知りの小生に

なれなれしく近づいてきたのがきっかけです

 

小生は大学キャンパスから歩いて15分位のところで

一人暮らしをしていましたので

他の友人もよく来ましたが,

Mはしょっちゅう泊まりに来て一緒に遊んでいました

3日に1回位はビリヤードをやりに

渋谷か下北沢にも行ってました

 

そんなある日

夜中の3時頃まで2人で

ジャック・ダニエル(ウィスキー)を飲みながら

学問がらみのどうでも良い話をしていたのですが

眠くなった小生が先に寝て

目が覚めるともうMはいなくなっていました

インドのとある聖者の本を手にしたまま

 

それから1年間余り, Mを見ないことになるなんて

全く夢にも思っていませんでした

 

f:id:tsuputon7:20171011105900j:plain

 

Mがいなくなってから, というか

学校に来なくなってから1週間が経ちました

すると, 彼のお母さんから小生の家に

直接電話がかかってきました

 

あの, 家の子がお世話になっておりますが,

突然置き手紙をして旅に出かけまして

どうしても休学届けを出しておいて欲しい

と言うことなので, お忙しいのに

大変申し訳ありませんがお願いできますでしょうか

 

非常に丁寧なお母様の言葉に断る術もなく,

二の句も告げず, わかりましたと言って

2日後に送られてきた休学届けを

学校の教務課に出しに行きました

 

なぜか担当教官からのハンコは

周到にもらってありました

 

それから約1年後,

もうMのことなど忘れていた頃

突然, 本人から電話がかかってきました

 

ね, 今日遊びに行っていい?

うん,いいよ

じゃあ, 夕方 5時ね

 

と一方的に言って

がちゃんと切られました

 

f:id:tsuputon7:20171011095253j:plain

 

Mが小生の家に来て

開口一番何を言ったかと言うと

 

いや~,日本大使館のお世話にはなったよー

 

・・・話を聞きますと・・・

休学した理由は

アマゾンの奥地の文字を持たない民族の研究を,

突然, 思いついた自己流で人類学的にしたくて,

フィールドワーク(現地調査)をするためだったそうです

ですが, その時の帰国はMの話しの最後の部分が理由で

強制送還させられたのだとか

 

ある時, Mはブラジルのあのリオのカーニバル

どうしても見に行きたくなり,

ぶらりと一人行ってみたそうです

 そして, 何の知り合いもいないのに

一番賑わっていたアーケードで

見知らぬ皆さんと一緒に踊り始めた, と

すると, 地元の中学2年生位の男の子たちの集団10人に

声を掛けられ, 意気投合し,

熱狂して2時間ほど踊り続けたそうです

 

宴もたけなわになったあと

夜になりそのグループのリーダーの男子が

こう言いました

 

ホテルに泊まってるとお金がかかるでしょう?

僕の家においでよ

家に泊まればいいよ

 

そりゃそうだ, と思った Mはホテルに戻って

荷物を取りその集団に混じって

リーダーの家に向かっていきました

 

f:id:tsuputon7:20171011095831j:plain

 

たどたどしくもポルトガル語

楽しげに談笑しつつ, 10分ほど歩いた時のこと

暗闇の向こうが行き止まりになっていて

あ・・・これは危ないかも

とMが思った瞬間に

なんだか体に衝撃が走りそのまま気絶したそうです

 

f:id:tsuputon7:20171011100010j:plain

 

目が覚めたときには

知らないおばあさんに介抱してもらっていました

どうも身振り手振りからしてそのおばあさんの家の前で

気絶して倒れていたけど, 息はしていたので

おばあさんと息子さんで自宅のベッドに寝かせ

とりあえず頭から出血していたので氷で冷やして

寝かせてもらっていたとか

その後病院に搬送された時には頭蓋骨陥没が少しあった

だけ, ということでした

 

どうやら少年グループに

背後からレンガで後頭部を打たれたようで

 

家の前の道路には血のついたレンガの破片が散乱

当然のように金品とパスポートもろとも

持っていかれていたそうです

 

その日のうちに病院に搬送されると,

夜に日本大使館の人がやってきて

ガンガンする頭の向こうでこっぴどく説教され

パスポートもお金もなくなったということで

お金は日本のお母さんから大使館に振り込んでもらい

大使館には仮のパスポート発行をしてもらって

即時帰国することになったと

 

f:id:tsuputon7:20171011100213j:plain

 

大使館員に, 10年ブラジルにいるけど

日本人が1人でリオのカーニバルに参加したこと自体

常識的には全く考えられない

前代未聞だと, しみじみ言われたんだよ, と

Mはひとり笑いながらそう言っていました・・・

 

時系列は逆流しますが

このMのお話しはほんの序章にすぎません

 

アマゾンの奥地での出来事はまた機会を改めて

小生の記憶のある限り詳細にご紹介したいと思います

 

なおこの件につきましては, かつて本人は

人に言ってもいい

むしろ光栄だ

と申しておりましたので

こうやって記事にさせて頂いた次第でございます

 

ちなみにMとは

ここ3年会っていません

最後に会った時には,

次は南インドかな,

と言っていました

 

それでは, このへんで

ごきげんよう

 

f:id:tsuputon7:20171011100501j:plain

VINCENT Van GOGH : Self-Portrait with a Straw Hat