tsuputon's blog

英語の名言をベースに, 哲学から医学・薬学に至る雑学を, ゆるまじめにご紹介していきます

英語の名言:人生の嵐の中で虹であれ(バイロン)

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                                                       June.29.2018

 

 

ジョージ・ゴードン・バイロンは,

1788年イギリス生まれの詩人です

 

シェークスピアウィリアム・ブレイク

らと並び,イギリス屈指の詩人

と言われます

 

『チャイルド・ハロルドの巡礼』や

ドン・ジュアン』等の代表作があります

特に後者は,

次の名文句が語られた作品です

 

Truth is always strange,

stranger than fiction.

真実は常に奇妙で,

小説よりも奇妙だ

 

一般的には

「事実は小説よりも奇なり」

で知られていることばです

 

確かに人為の粋である

小説の力をもってしても,

昨夜のサッカー日本代表

ワールドカップ決勝リーグ進出の

シナリオは,想定できないものでしょう…

 

このフレーズからもうかがえますが,

バイロンは「ロマン主義」の

代表的詩人とされます

 

本日はこの,バイロン

名言のいくつかをご紹介したいと思います

 (和文拙訳)

ジョージ・ゴードン・バイロン - Wikipedia参照

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まずは,「知識の悲しさ」についての

コメントからです

 

Sorrow is knowledge,

those that know the most

must mourn the deepest,

the tree of knowledge is

not the tree of life.

知識とは悲しいものである

最も知る人たちは

最も深く嘆かなくてはならない

知識の樹は人生の樹ではない

 「知らぬが仏」という事態は,

驚くほど日常的にあります

社会生活を営んでいく上で,

お互いに知らないでいる方が

円滑に長く付き合える人間関係も

多々あります

 

ソクラテスの言います,

無知の知」です

tsuputon7.hatenablog.com

 

続きまして,「苦しみ」についてです

 

The great art of life is sensation,

to feel that we exist, even in pain.

人生の偉大なるアートは,

苦しみの中でさえ

私たちが存在していると感じる感覚である

 

苦しくて,辛くて,

立つこともできないような時でさえ,

自分が「いる」ということ…

その実感がアートだと,

バイロンは言うのです。

 

確かに,まっとうに考えた時に

その場にいることさえ

普通無理と思われる状況でも,

なぜか人は逞しくも

生きながらえることもあります

 

だからこそ,バイロンは言います

 

Adversity is the first path to truth.

逆境は真理への最初の道である

 

そして… 

 

Always laugh when you can.

It is cheap medicine.

笑えるときにはいつも笑っていなさい

それは安い薬だ

 

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「友情」についての,

バイロン流の定義がありました

 

Friendship is Love without his wings!

友情とは翼のない愛だ!

上手く二の句が継げませんが,

地上での交友という意味では,

納得のいくことばです

無重力にはなれないけれど,

重力圏では付き合える…

 

では,翼があった場合,

どうなるのでしょうか?

 

Lovers may be - and indeed generally are -

enemies,

but they never can be friends,

because there must always be

a spice of jealousy and

a something of Self in all their speculations.

恋人たちはおそらく,そして実際一般的には,

敵である,

しかし彼らは決して友人にはなれない

なぜなら,彼らの思惑全ての中で

常に嫉妬というスパイスと

何らかしらの我があるからだ

 「好き」と「嫌い」は紙一重と言います

心理学者は良く,

恋愛をはじめとする人間関係上の好悪は,

向かう方向の違う同じエネルギー

だと言います

 

例えば,深層心理学では,

老若男女誰しもが無意識に

男性性と女性性を持っていて,

それを目の前の相手に投影して,

好意や憎悪を抱くとするのです

その際費やされる感情エネルギーは

変わらない,と

 

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バイロンのクリスタルクリアーな

センス煌めくフレーズを挙げてみますと…

 

The best prophet of the future is the past.

未来の最高の預言者は過去である

アウグスティヌスは,

時間とは過去と未来のことであり,

現在とはそこに含まれない

無時間性であるとしました

そして,永遠の現在のみがある

理想郷・千年王国を唱えました

 

バイロンのこのフレーズも,

未来が過去からの予言可能なものと

説いています

 

また,「名声」については…

 

Fame is the thirst of youth.

名声は若さの渇きである

この意味合いで,

老いてもなお若い」

方々は,結構おられる気もしますが…

 

さらに,「誠実さ」につきましても,

擬人的にこう語っています

 

Sincerity may be humble

but she cannot be servile.

誠実さは謙虚なものであるかもしれないが,

従属関係にはなり得ない

従属関係は主人と従者のタテ関係ですから,

必然的に従者は卑屈になってしまいます

それは人の弱さです

 

ですが,誠実さは弱さではなく強さです

謙虚は謙遜では無いのです

 

そして,これぞ理性より感性を重んじる

ロマンチストと思えます

ことばがありました

 

There is no instinct like that of the heart.

心の本能ほどの本能はない
 

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バイロンのメッセージのダイナミックさは,

その卓越した比喩力にあります

輝かしいまでの彩り豊かな喩えには,

ゲーテにも比すべき説得性もあります

 

詩人のそうしたポエジー(詩性)にこそ,

魂が宿っていると思われます

 

Be thou the rainbow in the storms of life.

The evening beam

that smiles the clouds away,

and tints tomorrow

with prophetic ray.

人生の嵐の中で虹であれ

雲笑い飛ばし,

予言的な光線で明日を色付ける

夕暮れの光の筋

 

それでは,このへんで

ごきげんよう

 

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