tsuputon's blog

英語の名言をベースに, 哲学から医学・薬学に至る雑学を, ゆるまじめにご紹介していきます

英語の名言:時計が止まって初めて,時が生まれる(フォークナー)~西城秀樹さんへのオマージュと共に~

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                                                  May.18.2018 

 

 

ウィリアム・フォークナーは,

1897年アメリカ生まれの小説家です

 

ヘミングウェイと双璧をなす,

20世紀アメリカ文学の巨匠です

 

代表作には『響きと怒り』『サンクチュアリ

八月の光』などがあります

 

1949年には,

アメリカの現代小説に対する,

強靭かつ独創的な貢献が評価され,

ノーベル文学賞が授与されました

 

語り手に現実的な視点に

回想や意識化の思考を挿入することで

語りを重層化させる,

「意識の流れ」という

独自の手法を編み出しました

大江健三郎さんも大きな影響を受けた

と言われる方です

 

本日はこの,ウィリアム・フォークナー

名言をいくつかご紹介したいと思います

和文拙訳)

ウィリアム・フォークナー - Wikipedia

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まずは,「勇気」についてのコメントです 

 

You cannot swim for new horizons

until you have courage to lose sight of the shore.

岸辺を見失う勇気を持って初めて

新たな水平線に向かって泳げる

 

後ろを振り返っていては前に進めません

後ろが見えなくなってもいい

ひたすら前を見て泳いでいく決意,

それこそが勇気です

 

過去の自分を忘れて新たなる生に

真っ向から向かっていく

その勇気が躍動感を生みます

 

フォークナーの人生哲学は

ひたすらに前向きなものでした

 

Always dream and shoot higher

than you know you can do.

Do not bother just to be better

than your contemporaries or predecessors.

Try to be better than yourself.

自分ができると分かっている以上のことを

常に夢見て目指しなさい

同時代の人々や先人たちより

良くなろうとすることだけに

気を揉んではならない

 

とはいえ,謙虚さを失っても良いと

言っているわけではありません

 

Unless you're ashamed of yourself now and then,

you're not honest.

時々自分を恥ずかしく思わないなら,

あなたは正直ではない

 

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続きまして,自由についてのコメントです

 

We must be free

not because we claim freedom,

but because we practice it.

自由を叫ぶからではなく,

自由を実践するから,

自由でなければならない

 
ことばではなく行動
自由を獲得するには実践あるのみである
と考えるフォークナーは,
そのための苦痛も厭いません
 
Given the choice
between the experience of pain and nothing,
I would choose pain.
苦痛を経験するか何も経験しないかの
選択を迫られたら,
私は苦痛を選ぶだろう

 

なんの経験もしなければ,

自由にもなりようがありません

そこにはひたすらのトライアル精神がありました

 

Don't do what you can do -

try what you can't do.

自分にできることをするな

できないことに挑戦しなさい

 

それが,勇気というものでしょう

 

ピカソも次にように語っていました

 

私はいつも

自分のできないことをしている

そうすればそのやり方を学べるからだ

 

tsuputon7.hatenablog.com

 

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フォークナーの「勇気」は,

人として貫くべきことのためのものでもありました

 

Never be afraid to raise your voice

for honesty and truth and compassion

against injustice and lying and greed.

If people all over the world would do this,

it would change the earth.

不正や嘘や強欲に対し

正直さや真実や慈悲を求める声をあげるのを

決して怖がってはならない

もしも世界中の人々がこうしたら,

地球を変えることだろう

 

このような声をあげないので,

地球は変わらない…

およそ一世紀も前にフォークナーは

現在の地球をも予見するかのごとく

こう語っていたのです

 

tsuputon7.hatenablog.com

 

では,そうした勇気を

いかにして持てばよいのでしょうか

フォークナーの答えは「自己教育」でした

 

We have to start teaching ourselves not to be afraid.

私たちは自分自身に怖がらないことを

教え始めなくてはならない

 

最高の教師は自分自身です

とりわけ,勇気=怖がらないことといった

心理的な事柄に関しましては,

主観の問題ですので,

結局は自分です

 

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フォークナーの時間にまつわる表現には

独自のレトリックがありました

 

There is no such thing as was—

only is.

If was existed, there would be no grief or sorrow.

「だった」などというものは存在しない

「である」のみがある

もし「だった」が存在するならば,

どんな悲哀もかなしみもないことだろう

 

過去形を認めていません

存在するのは「永遠の今」のみです

だからこそ,私たちは悲しみもするのです

  

It's all now you see:

tomorrow began yesterday

and yesterday won't be over until tomorrow.

あなたに今分かることの全ては次のことだ

明日は昨日始まったもので

昨日は明日まで終わらない

 

ここで気になりますのは,フォークナーが

「今日」を時間に含んでいないことです

時間=昨日+明日であり,

「今日」は便宜的なものでしかない

と考えているのです

これはアウグスティヌス  の時間論,

時間=過去+未来であり,

「今」は時間に含まれない,

千年王国の永遠的無時間性だという考え方に

酷似しています

tsuputon7.hatenablog.com

 

およそ100年前のアメリカにあって,

フォークナーの時間意識は「いま・ここ」にありました

 

Only when the clock stops does time come to life.

時計が止まって初めて,時が生まれる

 

奇しくもこれは,昨日永眠されました

永遠のヤングマン西城秀樹さんの

意識にも通じるものです

 

僕のモットーは

「今を大切に、今を楽しく生きる」

先のことより、将来のことより、

とにかく「今」を大事にしたい

 

秀樹さん,

幼少期からよく真似をさせて頂き,

勇気と元気をいつもたくさん頂きました

 

やめろと言われても

一度決めた心…

 

幼稚園児だった頃,

親に「お立ち台」を作ってもらい,

何度となく「コンサート」を開いた曲です

 

ゆううつなど吹き飛ばして,

君も元気出せよ!

 

貴方の美声に乗ったこのフレーズに

挫けそうになってしまった時に

どれだけエネルギーを頂いてきたことか…

 

お願いですから,

どうか五次元でも歌い続けてください

 

 

合掌

 

 

tsuputon7.hatenablog.com

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