tsuputon's blog

英語の名言をベースに, 哲学から医学・薬学に至る雑学を, ゆるまじめにご紹介していきます

英語の名言:人はあまりにも多くの壁を造るが、架け橋の数は十分ではない。(ニュートン)

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                                                 April.11.2018 

 

 

アイザック・ニュートンは,1642年イギリス生まれの

哲学者・自然哲学者・物理学者・数学者・

天文学者です

 

力学の基礎を確立し,デカルトとともに

ニュートンデカルトパラダイム」と呼ばれます

自然科学の方法論的枠組みを作り上げ,

近代科学文明の成立に影響を与えました

 

ケンブリッジ大学時代の

恩師バローとの出会いによって

ニュートンの才能は開花し,

22歳のときに万有引力を発見,

さらに微分および微分積分学へと研究領域は

広がっていきましました

ニュートンの三大業績と言われます

万有引力の法則の導入・微積分法の発明・

光のスペクトル分析は,

すべて25歳頃までになされました

 

彼の物理理論は,二十世紀初頭に

アインシュタインが登場して覆すまで,

人類の科学の発展において

絶対的なものでさえありました

もちろん現在でも

私たちの日常生活レベルの力学であれば,

ニュートン力学によってほぼ全て説明されえます

 

本日はこの,アイザック・ニュートン

名言のいくつかをご紹介したいと思います

アイザック・ニュートン - Wikipedia参照

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ゴドフリー・ネラーによるニュートン肖像画

 

 

まずは,「発見」についての

ニュートン自身のコメントです

 

If I have ever made any valuable discoveries,

it has been owing more to patient attention,

than to any other talent.

もし私が何であれ価値ある発見をなしたのであれば、

それはどんな他の才能にでもなく

忍耐強く注意を払っていたことによるものだ。

 

ニュートンは一つのことを考え始めると,

四六時中その考えに取り憑かれたと言います

万有引力の法則を発見したときの,

あの有名な「りんごの木」の逸話は,

後々にヴォルテールが創作したものと

言われたりもしますが,

象徴的には彼の類まれなる集中力に,りんごが

ひらめきのきっかけを与えてくれたことを示唆する

美談です

 

因みに,その時の「りんごの木」とされるものの

接ぎ木から育った木が

東京の小石川植物園にあります

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http://www.bg.s.u-tokyo.ac.jp/koishikawa/

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ニュートンはどちらかと言うと暗めの性格で,

極めて几帳面な人だったと言われています

その几帳面さは,学生時代に自ら出納帳を作り,

友人とトランプゲームで負けたときの出費や

お金を貸したことまで詳細に記すほどでした

そうした繊細な彼が,

「真理」に生涯を捧げた思いが,

詩的に表現されたことばがあります

 

I was like a boy playing on the sea-shore,

and diverting myself now and then

finding a smoother pebble or a prettier shell

than ordinary,

whilst the great ocean of truth lay

all undiscovered before me.

私は海辺で遊んでいる少年のようで、

ときおり、普通のものよりもなめらかな小石や

わいい貝殻を見つけて夢中になっていた。

真理の大海がすべて未発見のまま、

目の前に広がっていたというのに。

 

なんと謙虚で微笑ましい発言でしょう!

「真理の大海」を目前にしながらも,

無駄に無邪気に遊び続けていた自分…

そうやって右往左往している間は,

真理の存在に気づけないとの自戒とも取れます

 

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そして近代科学の方向性を決定づけました

「単純さ」への志向を表すコメントがあります

 

Truth is ever to be found in simplicity,

and not in the multiplicity and confusion of things.

ものごとの多様さと混乱のうちにではなく、

単純さのうちに真理はまさしく見出される。

 

ここが理系的学問と文系的学問の

決定的な違いとも言われます

理系的学問,つまり自然科学では

< 多から一へ  >,

多様な情報から一つの法則を見つけるべく

研究がなされますが,

文系的学問,つまり人文科学では

< 一から多へ >,

一つの命題から多様な現象説明に向けて

研究されます

 

ですから本当は「真理」と一言で言いましても,

文系/理系の二元論では,2つの「真理」が

平行線のようにあることになります

なので,それぞれの学者さん同士が

「真理」をめぐって議論をしても,

この前提を踏まえないと,

不毛な議論にしかなりません

たまに見かけます激しい討論番組のように…

 

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ニュートン力学万有引力の法則と並びます

基本の1つに,

「作用・反作用の法則」があります

 

極めて単純化しますと

「押した分だけ,押され返す」

という,力の法則です

 

To every action

there is always opposed an equal reaction.

どんな作用も、

つねにそれと等しい反作用に対置される。

 

感覚的には当然のことかと思われますが,

力が分散したりした時にも,

それらの力がどこかに消えることはなく,

ベクトルで示すと等量だとする,

とても大事な発想です

 

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物体や宇宙に関してはめっぽう強いニュートンも,

人間の心にまつわることに関しましては,

解明を諦めていたようです

 

I can calculate the motion of heavenly bodies

but not the madness of people.

天体の動きなら計算できるが、

人々の狂気は計算できない。

 

人々の狂気…

当時のイギリスはペストのこともあり,

生活も安心して平和に暮らせる状況では

なかった背景があったようです

 

現在 AI 技術が爆発的に普及していますが,

いまだに混雑した人の中から

特定の犯人を見つけたりするのは,AI よりも

目利きの人間の方がはるかに正確だそうです

 

さらに,人と人との関係について… 

 

Men build too many walls

and not enough bridges.

人はあまりにも多くの壁を造るが

架け橋の数は十分ではない。

 

どちらかと言うと人付き合いが苦手だった

ニュートンだからこそ,

内心は「架け橋」を求める思いが

強かったのかも知れません

 

Tact is the knack of making a point

without making an enemy.

 如才のなさとは敵を作らずに

自分を主張することである。

 

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ニュートンは晩年,光学研究と

薔薇十字会などを通しオカルト研究に身を捧げました

やはり最終的にニュートンにとって

「真理」として立ちはだかったのは,

神でした

 

God created everything

by number, weight and measure.

神はすべてを数と重さと尺度から

創造された。

 

よく誤解されることですが,

あの近代科学の父・デカルトでさえ,

「神」を信じていました

その上で科学と宗教を分けて考えなければならない

としたのです

 

アインシュタインユダヤ教の「神」を

信仰していたことを告白しています

相対性理論のヒントがユダヤ教聖典解釈書

『タルムード』にあったと述懐していたほどです

仰ってたくらいですから…

 

宗教なき科学は不完全であり、

科学なき宗教は盲目である。

 

先日他界されましたホーキング博士は別でしたが…

tsuputon7.hatenablog.com

 

 

ニュートンのことばからうかがえますのは,

その一環した知的謙虚さです

17世紀の資本主義工業化社会の幕開けの頃に,

「近代的自我」と呼べるものは,

まだ一般的ではなかったのかもしれませんが,

決して自分の業績を自分一人のものとする発想は,

さらさらありませんでした

そもそも,どの分野であれ,超一流の人こそ,

自分の業績は自分一人のものではない,

ということを逆に強く実感されるように思われます

 

先哲への限りなき感謝の上に,

人類史を塗り替える偉業が成し遂げられ,

現代の私たちもその恩恵に預かっているのです

 

If I have seen further

it is by standing on the shoulders of giants.

私がより遠くを見られてきたのは、

巨人たちの肩に乗っているからだ。

 

それでは,このへんで

ごきげんよう! 

 

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