tsuputon's blog

英語の名言をベースに, 哲学から医学・薬学に至る雑学を, ゆるまじめにご紹介していきます

英語で名言を:やっぱりね、 小さな世界でまとまっちゃダメなんですよ(山本寛斎)

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                                                      Feb.18.2018

 

 

山本寛斎氏は,1944年神奈川県生まれの

ファッションデザイナーです

 

日本人で初めて

1971年にロンドンでファッションショーを開催し,

以降パリ,  ニューヨーク,  ミラノ, マドリードなどにも

進出し,  日本の世界に認められた

ファッションデザイナーの先駆けと言われています

 

小生は昨年夏,  東京新宿の伊勢丹本店で

寛斎氏に偶然出会ったことがあります

日本酒のイベントに応援参加されていたようで,

ちょうどその帰りがけだったのですが,

赤いスパンコールのジャケットを身にまとった方が

ニコニコしながらこちらに歩いて来られるので,

誰か大物芸能人なのかと思いましたら,

寛斎氏でした

月並みな言い方ですが, 目があったあともニコニコで,

服装以上にその笑顔のオーラに圧倒されました…

 

本日はこの,  山本寛斎氏の名言の

いくつかご紹介したいと思います

(英文拙訳)

 

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山本寛斎氏 

 

 

まずは,寛斎氏の仕事に対する考え方です

 

   私のやっていることは全部、

   人に楽しんでもらう、喜んでもらう。

   それが目標です

    All I do is to amuse and please people:

    that's my purpose 

 

人に楽しんでもらうこと,  喜んでもらうこと

それがそのまま端的に目標だと仰ります

その仕事は,  当初日本では理解され難かったようです

高度経済成長期の1970年代の日本で,

彼の奇想天外さはやはり

受け入れられなかったものでした

 

日本では「異常」というと、

残念ながらマイナスのイメージのほうが強い。

でもね、世界に出て行って評価された日本人って、

みんな異常だと思うんですよ

In Japan, regrettably, “extraordinary” means

some kind of a negative image.

But all the Japanese who went out to the world

and evaluated well are all extraordinary .

 

ただ,  ご本人に自覚はありました

 

日本では「あの人、へん」

でも、世界の懐は広い。

私の姿を見るなり

「ウワァー、カッコイイ。ビューティフル!」

と賞賛してくれる自由な感性は、

海を渡った異国にあった

世の一流と呼ばれる人、成功した人々は、

みんな「異常」という名の天才なのだと思う

In Japan, “He is strange.”  

But in the world, he is acceptable.

On seeing me, they said, “Oh cool! Beautiful!”;

such a free sense of admiring me was

in the other countries overseas.

The people who are called first-rate and succeeded

are all geniuses of “extraordinary.” 

 

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では,  寛斎氏は服に対して

どのような考え方を持ちなのでしょうか

 

  服とは、我ここにありという主張

   The clothes are the appeal that says, “I’m here.”

 

我=服と考えられています

 

  自己表現できるファッションとは

  自分がそれを着たとき、最高の笑顔でいられる服

  The fashion to express yourself is

  the clothes that make you smile best.

 

繰り返しますが,

寛斎氏の笑顔は間近で拝見して

僭越ながら本当に印象的でした

 

本当に心底幸せでなければ,

あんな表情はできません

御本人が世界を股に仕事され半世紀も続けられる上で,

最高の笑顔になる服が自己表現できるファッション

という美学が自然と熟成されたのでしょう

 

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ですがあの笑顔の裏には苦労も相当あるはずです

 

寛斎氏はネガティブな思いに駆られときに

どう対処されているのでしょうか

 

朝、出かけていくのが

「しんどいな」と思うこともある。

寒さの厳しい日は、

このまま暖かい布団にくるまって

もう一度寝てしまおうかという

誘惑にかられることもある。

そんな時はひとりのカッコイイ主人公に

自分を置き換えるのが私の得意技

 In the morning, I sometimes feel

I’m tired and don’t feel like going out.

On a very cold day, I’m sometimes tempted to keep

myself in the warm bed and in such a time,

I exchange myself for some cool hero:

this is my great skill.

 

凄すぎです…自分自身をカッコイイ主人公に置き換える

そして寒い朝も飛び起きる…

 

今では早寝早起きがすっかり身におられ,

ご自身のルーティンとされているとのことです

 

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最後に,人生について次のように述べられています

 

人生には振り幅があります。…

しかし、右に振れた糸は

必ず左に戻ってくる。

けっして振り切れて飛んで行ってしまうことはない。

それを信じて、絶対に糸から手を放してはいけない

Life has some sway....

But the string that has gone to the right side

must come back to the left.

It never flies off beyond the range. 

You must believe it and never let the string go.

 

振り子は必ず左から右,右から左へと動き続けます

ただ,  その支点を離さない限りは…

こう仰る寛斎氏は同時に楽観性も忘れておられません

 

   人生はなんでもあり。

   そう考えれば楽になる

    Everything can happen in my life;

    this makes me feel good.

 

日本人デザイナーの先駆けとして,

未知の領域を開拓し続けてこられている寛斎氏

その心のあり方は美しいことにシンプルです

 

   夢を叶えるコツは、

   狂ったように欲しがること

   The art of making dreams come true is

   to be dying for them.

 

さらに,

 

   やっぱりね、

   小さな世界でまとまっちゃ

   ダメなんですよ

    Well,

    it’s not good to make yourself steady

    in a small world.

 

それでは,このへんで

ごきげんよう

 

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