tsuputon's blog

英語の名言をベースに, 哲学から医学・薬学に至る雑学を, ゆるまじめにご紹介していきます

大切なのは,やったことの量ではなく,するのに注いだ愛の量です

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RAFFAELLO: Sanzio Madonna della Seggiola

  

                                                       Dec.25.2017

 

 

マザー・テレサは1910年にマケドニアに生まれました

18歳の時アイルランドで修道女となり,

21歳からインドに渡り修道院生活を続けました

 

36歳のある時,汽車に乗車中,

「全てを捨て,最も貧しい人の間で働くように」

という啓示を受け,

神の愛の宣教者会を設立しました

飢えた人,裸の人,家のない人,体の不自由な人,

病気の人,必要とされることのないすべての人,

愛されていない人,誰からも世話されない人,

のために働くことを目的とする会です

 

そして,

「長期間にわたる献身的な働きにより,

苦しみのなかにいる人々に安息をもたらした」

ことが評価され,

1979年にノーベル平和賞を受賞しました

 

小生がそのことばに惹かれますのは,

ただただ「信じなさい」一点張りの

宗教家にありがちなものではなく,

透徹した理性的な説得力を多分に持った

実践哲学が感じられるからです

 

本日はクリスマスにちなみまして,

マザー・テレサの名言をいくつかご紹介し,

そのカトリック精神の

ごく一端に触れてみたいと思います

 

 

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マザー・テレサ

 

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まずは,基本中の基本と思われますこちらから…

 

    Let us always meet each other with smile,

    for the smile is the beginning of love.

    いつもお互いに笑顔で会うことにしましょう

    というのも,笑顔は愛の始まりですから

 

笑顔は基本です

どんなに素晴らしい方で

どんなにいいことをおっしゃる方でも,

笑顔ゼロだと「?」となってしまいます

真の威厳はそんなことではないでしょう

 

はじめに笑顔ありき

 

対人スキル云々以前の,

人として当然至極のマナーでもあります

そういう意味では,小生がお世話になっております

スターバックスのお兄さん・お姉さんは◎!

愛が毎日始まっています!

 

笑顔がどれだけ基本的かは,

赤ちゃんを見れば一目瞭然です

その基本が,大人になると…

 

 

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こうした小さなことに対して,

マザーは端的にこう語っています

 

    Love is doing small things

    with great love.

    愛とは大きな愛情をもって

    小さなことをすることです

 

「大きな愛情」で「小さなこと」をすることが,愛

職人の匠の技に至れるのも,小さな材料や道具を

ひとつひとつ丁寧に扱い続けて初めて,

偉業がなされえるからでしょう

人と物,

人と事,

人と人,

マザーのことばは,人にまつわる全次元で,

当を得ています

 

こうした小さなこととの関わり方から

自分のポテンシャルに気づくことがあります

 

    Be faithful in small things

    because it is in them

    that your strength lies.

    小さなことに真心を尽くしなさい

    あなたの強さは小さなことの中にこそ

    あるのですから

 

先ほどの「大きな愛情」=「真心」でもって,

小さなことに集中できれば,

その中に自分の強さを発見できる

 

たしかに,等身大以上のことに対している時には

自分の非力さを惨めにも感じ続けるしかありません

逆に,小さなことに対してであれば,

自然と自分の全力を注ぐことができます

マザーの非常に理性的な考え方だと思います

 

このことばは,イチロー

 

    小さなことの積み重ねが

    やがてとんでもない結果をもたらす

 

を連想させます

当然至極のことですが,

小さなことも出来ないで,

大きなことなんて出来るわけがないです…

 

 

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続きましても,端的で深いものが…

 

    If you judge people,

    you have no time to love them.

    人々を判断していると

    彼らを愛する時間がなくなります

 

おっしゃる通りです!

ですが,人を判断しないでいることの難しさときたら!

 

昨日など,新宿の歩行者天国で歩きスマホの少年と

肩がぶつかり,その瞬間に「ちっ」っとやられまして,

むしゃくしゃしかけたのですが,

「ま,イヴだし」と自分をなだめるのに,

3分はかかりました…

小生が「大きな愛情」で満たされていたら,

許せたのでしょうが…

 

人を判断する前に愛する

(もちろん,人類愛的に,でしょうけれど)

常日頃,心がけたいところです

 

 

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マザーは神の愛の宣教者会の活動を続ける中で,

次のような境地に達しておられました

 

    I have come to realize more and more

    that the greatest disease

    and the greatest suffering is

    to be unwanted, unloved,

    uncared for, to be shunned by everybody,

    to be just nobody.

    最悪の病気と

    最悪の苦しみは

    必要とされないこと,愛されないこと,

    大切にされないこと,全ての人に拒絶されること,

    自分がただ何ものでもなくなってしまうことだと,

    ますます実感するようになりました

 

ここに並列されていますことはすべて,

心のことです

身体的な病気や苦しみよりも,

心の病気や苦しみの方がいかに最悪になりうるのか,

目の前にいる人々から

戦争をしようと加担する人々に至るまで,

マザーの目からはすべて御見通しだったのでしょう

 

自己否定感にさいなまれていることほど

心苦しいことはありません

自分の苦しい状況に対処するのも大変なのに,

他人の,しかも,途轍もなく不幸な人々の

心のケアまでみられたマザーの強さは,

計り知れません

 

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そして,

マザーの一貫した哲学が

集約されているかのようなフレーズです

 

    It is not how much we do,

    but how much love we put in the doing.

    It is not how much we give,

    but how much love we put in the giving.

 

    大切なのは,やったことの量ではなく,

    するのに注いだ愛の量です

    大切なのは,与えた量ではなく,

    与えるのに注いだ愛の量です

 

とかく,社会的文脈では

「やったこと」「与えたこと」の量ばかりが先行し,

その質がなおざりになってしまいがちです

資本主義社会全体の風潮でもありますが,

大量生産第一でしたら,当然の結果と言えるでしょう

 

ですが,心は資本ではありません

形がないからです

物でも,お金でも,ないからです

 

ものごとの質を高めるには愛が必要です

マザーは敬虔なクリスチャンですから,

神と人との垂直的交通を日々感得し,

そのエネルギーを活用すべく

社会的弱者に注ぎ続けようとされたのでしょう

 

信仰の有無にかかわらず,

マザーが現実になされた言動には,

ただただ脱帽するしかありません

 

それでは,このへんで

Merry Christmas!

 

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