tsuputon's blog

英語の名言をベースに, 哲学から医学・薬学に至る雑学を, ゆるまじめにご紹介していきます

英語の名言:偉大な精神は常に凡庸な人々からの反発にあってきた(アインシュタイン)

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                  Dec.11.2017

 

 

比較は悲惨を生む

という考え方は, 原始仏教を始め古今東西

いろいろな哲学者や思想家に言われてきたことです

 

自分を人と比較する,

そうすることによってそもそも

自分の果たすべき役割やこれからの目的が,

他者との相対的な比べ合いとなり,

その差異の追求をすることが目的となってしまう

要するに,

本末転倒なアイデンティティーにならざるを得ないため

結果,悲惨に到ることになるというのです

 

もちろん,

自分の目指す道などでの他人との能力比較は

社会生活を営む上で必須です

ですがそれは努力の結果であるべきであって,

目的であるべきではない,ということです

 

無闇に比べるということをしなければ

ひとりでに自分の内面に向き合える,

スティーブ・ジョブズ然り,大半の偉人たちは

どこかでこの真実に気づき,それを言動一致で

実践した人々のように思えてなりません

 

ですが,小生などの凡人は他者との比較に忙しいので,

人よりちょっといい車,人よりちょっといい家,

人よりちょっといい成績,人よりちょっといい評判,

そんなことばかりに気が取られてしまいます…

 

 

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米国の作家マーク・トウェインは,

狭小な人との付き合い方について

次のように警告しています

 

 

    Keep away from people

    who try to belittle your ambitions.

    Small people always do that,

    but the really great make you feel

    that you too, can become great.

 

   あなたの野心を

   小さくしようとする人々から離れなさい

   狭小な人間はいつもそうするが,

   本当に偉大な人々はあなたに感じさせてくれる,

   あなたも偉大になれると

 

偉大な人は他者の中に

その人の偉大なるポテンシャルをすぐ見出だし,

小人は相手との比較を習慣としているせいで,

相手の野心をくじいて自分が優位に立とうとする…

 

端的に,コンプレックスでしょう

 

誰しもコンプレックスを持っていると言われますが,

そのコンプレックスをコントロールするか否かが

偉人と小人の分水嶺と言いうるでしょう

 

というのも,類稀なる才覚の持ち主は,

そうしたコンプレックスも超えて,世間から逸脱し,

非常識な存在にならざるを得ないからです

 

思想家エマーソンは次のように述べています

  

    To be great is to be misunderstood.

    偉大になるということは誤解されるということだ

 

改めて考えてみますと,

「満場一致で認められる」ということは

凡庸な人々にも理解される程度の話と言うことになり,

民主主義の理念を最も低俗な解釈をした場合に生じる,

表層的な多数決原理でしょう

 

質より量が勝る

これは,物質主義的資本主義社会の病であり,

倒錯としか言いようがありません

 

ですが,社会は偉人の発明や発見・業績の

途方も無い恩恵を受けるわけです

 

生前1枚の絵も売れなかったゴッホのように

 

 

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ヴィンセント・ヴァン・ゴッホ『星が輝く夜』 

 

 

法や社会常識など,誰しもがわかるべきことと

わからなくても人類を引っ張るべき偉人の仕事とは

次元の違う話なので,

それらを一緒くたに同じ土俵で語ることは

カテゴリー・エラーとなり,避けなければなりません

気がつけばどうしても自分と同じ地平で

なにごとも理解しようとしてしまいがちですが…

 

賢人はアイディアを,

凡人は出来事を,

狭小な人は人を語る

と言われます

 

人を語るとは,噂ということです

噂は,自分は全く関係ないが故に,

誰しもが好奇心を自然と持ってしまいがちです

ですがそれは「自分はその人みたいじゃない」という

手の込んだ逆説的な比較でしかありません

 

出来事はすでに起こったことであり

過去の事実ですから

いかんともしがたい話です

 

アイディアは未来志向のこれからのことであり,

生産性そのものが詰め込まれた

これまでにない意見を人々に示し得る指針となります

真のアイデアが注入されていれば,

知識は時間を凝縮したものになりえます

 

そう考えますと,

賢人は役に立つこと,

凡人は無駄なこと,

狭小な人は愚かなこと,

をしていると言えます

 

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偉人自身も自らの与えられた才能の裏腹で,

世間とのそうした確執との

戦いを続けていかざるを得ません

アインシュタインは次のように述べています

 

  Great spirits have always encountered opposition

  from mediocre minds.

  The mediocre mind is incapable

  of understanding the man

  who refuses to bow blindly

  to conventional prejudices

  and chooses instead to express his opinions

  courageously and honestly.

   

    偉大な精神は常に凡庸な人々からの

    反発にあってきた

    陳腐な先入観に

    盲目的に従うことを拒否し

    代わりに勇気を持って正直に

    自分の意見を表明することを選ぶ人を

    凡人は理解できない

                                       

やはりここでもキーワードは「勇気」です

陳腐な先入観に盲目的に従うこと

これは大衆の代名詞とも言うフレーズでしょう

偉人はそれを拒否し勇気を持ってありのままの自分で,

自分の意見を世の中に提出する

それが世の中のためであるがゆえに

誤解を恐れず提出する

 

でも凡人にはそれが理解できない

行く行く凡人もその知恵の恩恵に預かるというのに

 

アインシュタイン相対性理論

私たちの生活に何の役に立っているのか?

とよく言われますが, 実は既にGPS携帯では

地上の私たちと上空の衛星との微細な距離計算の際に

応用されているそうです

 

アインシュタイン相対性理論を発表してから

100年以上が経ちますが,

ようやくその応用が追いついたというだけで,

テクノロジーが偉人の知恵に追いついてなかった

偉人の悲劇は誤解されることにあります

凡人は最初は偉人を誤解し疎外し

誹謗・中傷さえしていても,当の偉人の

命がけだったかもしれない業績の産物を与えられ,

恩恵にあずかる一方です

 

天才の悲劇とはこうした

眠れる大衆のただ中でひとりで目覚めてしまう,

自己犠牲的宿命を指すのでしょう

 

それでは,このへんで

ごきげんよう

 

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