tsuputon's blog

英語の名言をベースに, 哲学から医学・薬学に至る雑学を, ゆるまじめにご紹介していきます

英語の名言にスラッシュ! (9) : ジークムント・フロイト

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                   Oct.20.2017

今朝がた

油絵を徹夜で描き続け

もう少しでピカソのようでピカソでない

独自性のこもった逸品ができると悦に入っていたら

突然, 画面にヒビが入ってきたかと思った瞬間,

バ~ンと爆発してしまい

その断片を泣きながら集め

新たな画面にテープのりで貼ってコラージュにしつつ

何やってるんだろ? と自問した途端に

目が覚めた夢を見ました

 

素人ですのであえて夢を見ても

自己解釈はしないことにしているのですが

破壊は再生だ!

と思いながら起き上がりました

 

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 シヴァ神 : 破壊と再生の神

 

 

昔, 夢日記つけると面白いよと

前々回(10/18分)お話ししました心理学者に言われたので

2~3ヶ月ほど, 枕元にノートとペンを置き

目覚めたら横になったまま見た夢をメモする,

ということをやっていました

 

すると1週間もしてから読み返してみると,

夢の内容はおろか, それを書いたことさえ

全く覚えてなくて,

しかもすべてが他人事のように思えて,

ぞっとしたことがありました

これが意識と無意識の距離かと実感しました

 

 

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 Auguste Renoir : Eugène Murer 

 

 

英語の名言にスラッシュ! (9) : ジークムント・フロイト

夢は無意識を知る最大の鍵だと

深層心理学の創始者フロイトは言いました

今日はそのフロイトの名言(英訳)です

 

One must not be mean with the affections;

what is spent of the fund is renewed

in the spending itself.

 

これを, スラッシュ!

 

One must not be mean/ with the affections;

what is spent of the fund/ is renewed/

in the spending itself.

 

タテ書きにすると,

 

One must not be mean    人はケチになってはいけない

with the affections;           愛情に関して(↑)

what is spent of the fund 元手から使われたものは

is renewed                         更新される

in the spending itself.       使うこと自体で(↑)

 

意味をまとめると,


愛情をケチってはいけない

元手は使うことによって元に戻る

 

冒頭の One は「人」一般を表しています

mean は「意味する」ではなく, 「ケチな」「卑しい」

He is mean to me.「彼は私にイジワルなの」etc.

affection はよく「影響」と誤訳されますが,

affect だと「(悪)影響する」ですが,

affection だと意味はほぼ「愛情」のみです

what is~は「~なもの」「~なこと」で,

「何が~」ではありません

それは, What is ~? の時の訳です

of the fund で「元手から」

of が from のような役割をすることがあります

たとえば, get out of here「ここから出ていく」etc.

renewは「再び新しくする」→∴「更新する」

Net 関係の「更新」は renewal です

 

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所謂,

「与えた分だけ与えられる」

ということになるでしょうか

 

個人的にはフロイトに対するイメージは

ピカソに対するイメージと似ていて

誰もやったことのない仕事を独自で始めた天才

というものです

 

その天才性はやはり

「無意識の発見」

に集約されるでしょう

彼の時代に西洋人として,

意識できないこと, つまり

自分の自我が予期できない何かを対象化した

ということは, ある種

オカルトのようなものですが

彼は厳密な「科学」として自分の方法を確立し

現代深層心理学の基礎を築きました

今でも賛否両論あるようですが

少なくとも

積極的に無意識を意識化させた業績は

類を見ないものだと思います

 

フロイトは近しい友人たちに,

1番やりたくない職業は何?

と問い, それに友人が答えると

それは君が1番やりたい職業だよ

と言うことで,

友人をたくさんなくしたそうです

1番嫌いなもの=1番好きなもの...

 フロイトは「無意識」を読解する訳ですから

「意識」にとっては不快なことが, 実は

心の底では快でありうる, と考えたとか

 

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こうした,

いわば逆説的表現をフロイトはよくします

たとえば,

 

Out of your vulnerabilities

will come your strength.

(傷つきやすさの中から,

まさしく力が生まれてくるものだ)

 

これも, 考え方次第では,

vulnerabilities = 無意職

strength=意識

とも取れます

 

意識=分かっていること

無意識=分かっていないこと

とすると,

「無意識を意識化する」とは,

「分からないことを分かるようにする」

ことですから, 

深層心理学って, 不可測な知的冒険ですね

 

それでは, このへんで

ごきげんよう!

 

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